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第263夜:ヤフオクの古品(渡辺喜平)

Yahoauc_kohin_kihe_kao 昨日は書肆「ひやね」で『こけし往来』の誌上入札の締め切りがあった。出品こけしの中に昭和15年の佐藤護があったので、それなりの価格で入札に参加したが落札には至らなかった。以前に一度同様のこけしが出ており、その時は3万円台での落札であったが今回はその3倍程度になったようである。あの手の護は希少なので仕方がない。さて、今夜は飯坂の渡辺喜平を紹介しよう。

喜平の戦前作については第81夜で3寸を紹介した。戦前は昭和10年代中頃にキンの木地を挽いており、自身のこけしも作っている。頭部は平頭であるが頭頂部が大きく下窄まりである。胴は肩の張った直胴で裾部にかけてかすかに膨らんでいる。胴模様は赤と黄色のロクロ線と上下の赤ロクロ線の間にアヤメを描いたものの2種類。面描は目に特徴があり、鯨目とドングリ眼の一側目がある。

Yahoauc_kohin_kihe さて、本稿のこけしは大きさは9寸であるが頭が大きいため尺級のボリューム感がある。胴はアヤメ模様であるが3輪の赤い花弁の痕跡を残すのみ。目はドングリ眼。木地形態は「こけし辞典」の掲載写真(S16)とほぼ同じであるが辞典の方は鯨目。「東北のこけし」掲載は本稿と同じドングリ眼であるが昭和14年となっている。「らっこコレクション図譜」掲載の2本はドングリ眼で18年作。上瞼と丸目が一体化して表情が乏しくなっている。また前髪が先端が分かれてくる。通常大きい目のこけしは可愛いのだが甘くなりがちであるが、このこけしからは健康的な幼子の印象を受ける。やはり時代の差なのであろうか。

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コメント

佐藤護のことですか?

投稿: kokekokko | 2009年3月18日 (水) 08時17分

はい。38歳、米浪旧蔵品とのことです。

投稿: 筆者 | 2009年3月18日 (水) 09時07分

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