第257夜:ヤフオクの古品(佐久間米吉)
土湯系の佐久間米吉は明治19年の生まれ、浅之助の6男にあたる。明治35年、17歳より父浅之助について木地修行を始める。明治38年、20歳の時に川俣に移り、以後各地に移転。こけしは土湯時代から作ったとされるが、確認されているのは昭和14年以降のもののみ。やはり14、5年の作に優れたものが多く評価は高い。それから年代が下がるに従って作品としての質は落ちてくるようだ。
さて、今回のこけしは胴底の記入より、昭和18年に注文・入手したことがわかる。米吉としては下り坂に入った頃の作品と言って良いだろう。植木氏の「愛こけし」9頁には昭和16年頃として3本のこけしが掲載されているが、その左端のこけしと表情は酷似している。他の2本と比べると少々落ちるので、植木氏のこけしの年代が18年に近いものかも知れない。14、5年の作に比べて作行きが落ちるとは言え、そこは戦前(戦中)の作であり、湊屋本来の古風な雰囲気は十分に見て取れる。米吉こけしの胴模様は首、裾と胴中央に太い赤ロクロ線を引いたものが多いが、本作では胴中央の赤太線は波線となっている。
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