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第261夜:ヤフオクの古品(小林吉太郎?)

Yahoauc_kohin_kobakiti_kao 今回の古品群の出品写真を見た時に、群像の中程に山形系のこけしが写っていた。一瞬、吉太郎かとも思ったが確信は持てず、来てのお楽しみに待っていた。実際に手にして胴底を見ると「山形 小林吉太郎」とある。もちろん本人署名かどうかは分からない。但し、胴の形態は吉太郎とは異なるし、描彩や胴模様にも疑問符が付く。今夜は、その小林吉太郎(?)のこけしを見てみたい。

山形系の小林吉太郎は、明治12年の生まれ、小林倉治の4男である。明治24年から父倉治について木地修業をした。現存こけしで最も古いものは「こけし這子の話」で紹介されたもので大正12年頃のもの。昭和初期のものは目尻の吊り上った鋭い表情のものであったが昭和10年頃より甘美で優しい表情となる。昭和14年以降の信濃町時代になると、木地は別人で描彩にも他人のものが混じるようになる。

Yahoauc_kohin_kobakiti さて、本稿のこけしであるが、大きさは8寸。胴の形態は肩が痩けていて、「愛こけし(113頁)」にある黒田うめののこけしに似ている。最も信濃町時代は、木地引きと描彩は分かれていて、うめのは描彩専門で木地は挽かなかったから決め手にはならない。胴模様は5弁の花を散らしているが吉太郎こけしの特徴である最上部の花冠がない。この様式の胴模様はやはり黒田うめののこけしに見られる。次に頭部を見て見よう。横広気味の頭はうめのに近い。また頭頂部の描彩では前髪脇の赤い髪飾りの様式が、吉太郎は向かって右が2筆で左が3筆と異なるのだが、本稿こけしは左右とも3筆で吉太郎とは異なり、うめのとは同じ。このように見てくると、このこけしの作者は黒田うめのという可能性が強いのだが、目の描彩がうめのは優しく、目尻が上がっていない。ところが、このこけしでは目尻が上がっており表情が強い。「こけし辞典」では描彩に関して『特に面描が黒田うめので、胴が吉太郎のものが多く、反対のものもたまにある』と記載されている。従って、このこけしは面描(眉・目・鼻・口)のみ吉太郎が描いた可能性も考えられる。いずれにしろ何人かの工人による合作と思われる。当時はそれが一般的だったのであろう。

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