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第283夜:保存極美のこけし(佐藤正一)

Syoichi_gokubi_kao 現在、福島の西田記念館では第43回企画展(4/1~7/31)として「土湯古品こけし」を展示している。その大判のポスターには斉藤太治郎の保存極美のこけしが載っている。太治郎型のこけしは私の好きなこけしなので、太治郎、正一、弘道のこけしを機会ある毎に入手してきた。そこで気付いたのは、太治郎型のこけしは古いものであっても保存の良いものが多いということである。そこで保存状態が非常に良い(保存極美)こけしを拾ってみた。第247夜で紹介した佐藤雅雄(戦前作)などその最たるものであろう。今夜は佐藤正一の保存極美なこけしを紹介しよう。

さて、保存極美という言葉を先ず定義したい。新しいこけしが保存状態が良いのは当たり前なので、作られてから相応の年数が経っていることが必要である。一応半世紀(50年以上)経っているものを対象としよう。そうすると昭和30年代の前半以前の作品ということになる。条件の1つに木地の状態を挙げたい。木地は日焼けや古色、またシミなどは殆どないものとする。小さな傷(節やヒビ)は鑑賞上目立たないものは許容する。退色も殆どないものとする。すなわち、作った当時の状態を保持したものということになる。

Syoichi_gokubi_hikaku 太治郎型こけしに保存状態の良いものが多いのは、入手難のために大切に保管されたこと、また木地仕上げが丁寧であるために埃などが付き難かったこともあるようだ。さて、写真(2)右のこけし(6寸)は胴底の署名から昭和28年4月の作であることが分かる。友の会の入札で入手したものであるが、その状態は今作ったばかりと思えるほどに瑞々しい。胴裏に小さい節、また胴裾に小さなヒビがあるのだが全く気にならない。太治郎型本型は細い緑のロクロ線と紫の波線がポイントである。共に退色しやすので、この2色がカギを握る。このこけしでは全く色が変わっていない。左のこけしも同じ正一のこけし。こちらは28年7月8日と署名があるので右のこけしとは3か月程度の違いである。こちらも木地に古色が付いているが、緑も紫もしっかり残っている。保存状態としては決して悪くはないのだが、右と比べてみればその差は歴然である。右のこけしは作られてから殆ど日の目を見ることもなく仕舞われていたのであろう。一方、左のこけしは多くの人の目に晒され、また触られてきたのかも知れない。それぞれのこけしの経歴に思いを馳せて見るのも楽しいことである。それとは別に、この2本を並べてみると3か月違いで同じ6寸ものにしては頭の大きさにかなり差がある。この前後のこけしを追及してみる必要がありそうである。

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