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第288夜:滝島さんの初期勘治型

Shigeru_kanji_s55_kao 先週、ヤフオクに滝島茂さんの勘治型が立て続けに2本出品された。茂さんは昨年亡くなられたが、「高勘」の弟子では柿澤是隆さんと双璧と言われ数々の秀作を残している。しかし茂さんの勘治型はあまり見かけない。その辺りのことは第40夜で平成4年作の勘治型を紹介しながら記載した。ところが今回の出品作は昭和55年の作(もう1本は56年)。昭和50年代の半ばに、まだ師匠の盛雄さんが元気な頃に勘治型を作っていたとは驚きでもあった。今夜は運良く入手したその勘治型の初期作を見てみたいと思う。

Shigeru_kanji_s55_hikaku 第127夜では是隆さんの初期勘治型として昭和55年の作を紹介した。今回の茂さんの勘治型も同じ昭和55年作。これはどういうことなのであろうか。しかも今回の作品には茂さんの自筆の署名のほか「昭和五十五年十二月十三日」の記入があり、「滝島会印」と「しげる×」のゴム印も押されている。この「滝島会」とは一体何なのであろうか? いずれにしろ収集家が是隆さん、茂さんに勘治型を作らせたと想像できる。写真(2)の右が本稿の作で左は是隆さんの作(昭和59年初挽き)でいずれも大きさは原寸。驚くほど良く似ているのが分かる。参考にしたのは福寿さんの勘治型であろう。そして茂さん、是隆さんが勘治型を作ったことは、盛雄さんに知られてしまったと思われる。当然、盛雄さんから厳しい注意があったのであろう。以降、第40夜に記したように、茂さんは公には勘治型を作らなくなり、たまたま作っても署名はしなくなった。この2本の勘治型を見て、なかなか良い出来だと思う。その後、次第に個性が入っていって変化してくる。それは自然の流れであり、見る(集める)方にとっては楽しみなのでもある。ただ茂さんの勘治型は残された少数でそれを見比べるしかなくなってしまった。

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