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第278夜:正吾さんの雄四郎写し

Syogo_yushiro_fukazawa_kao 東京こけし友の会発行の「こけし手帖」は昔のこけし界の情報を得るために貴重であるが、第1号から第30号までは復刻されたものの、それ以降は復刻される予定はないだ。1週間ほど前、「こけし手帖」が纏めてヤフオクに出品されたので、手元にない初期の50冊分に入札した。内21冊を何とか落札でき読み始めている。その中の第55号は遊佐雄四郎の特集である。雄四郎のこけしは後継者が無く廃絶状態であったが、高橋正吾さんにより写しが作られた。今夜はこの雄四郎の写しを眺めてみたい。

鳴子系の遊佐雄四郎は明治10年の生まれ、雄四郎の父遊佐佐吉(高橋万左エ門)が高橋直蔵と異父兄弟であることから、直蔵系列に分類されている。雄四郎は明治時代からこけしも作っていたが当時のものは確認されておらず、戦前作は昭和13年に深沢氏によって発見されてから作ったものが僅かに残るだけである。また戦後は昭和22年に大沼新兵衛木地に描いたものが数本あると言う。雄四郎自挽きの木地は胴細く肩の山は低く、所謂古鳴子の様式に合致している。面描は、目は一筆、鼻は二筆で口も赤の二点、頭頂の水引も簡素で、いかにも可憐な乙女を表している。但し、横鬢は四筆以上と多く大寸物では途中で赤いリボンを結んでいるのが特徴である。

昭和13年に深沢氏が作らせた7寸7分は、「こけしの追及」に、また7寸7分と5寸4分の2本が「こけし辞典」に載っている。昭和18年に鹿間氏が作らせた7寸2分は「こけしの美(原色)」に、また6寸9分は「こけしの世界」に掲載されている。名和コレクションの尺は昭和16年作で「こけし・人・風土」に、また6寸は昭和22年作(新兵衛木地)で「こけし・人・風土」と「こけしの美(単色)」に載っている。他に西田コレクションの7寸1分は「鳴子・こけし・工人」「原郷のこけし群」、「こけしの世界」には昭和22年作が載っている。米浪コレクションには昭和16年作がある。

Syogo_yushiro_hikaku 平成18年、高橋正吾さんが、これら雄四郎こけしの主なものの写しを作った。雄四郎こけしが廃絶状態にあるのを惜しみ、その型を残すことが目的とのことであった。「こけし手帖(55号)」で鹿間氏は、雄四郎の「後継者について」、次のように書いている。『雄四郎こけしは完全に廃絶した。その数多い一族にももはや木地師は一人もいない。・・・。強いて雄四郎こけしの後継者を求めるとすれば、高亀の弟子達のうちに求めるより他あるまい。・・・。このことについて私は正吾さんととくと話したかったが、機会がなかった。彼は若いし、フレキシブルでもあるから、将来考えてくれるかも知れないと思っている』と。鹿間氏の想いはそれから40年以上経って、ようやく正吾さんによって叶えられたのである。集合写真は左から、米浪雄四郎(S16)、深沢雄四郎(S13)、名和雄四郎(S16)、鹿間雄四郎(S18)、西田雄四郎、名和雄四郎(木地新兵衛、S22)。

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コメント

今日正吾さんを訪ね,各種雄四郎型を購入しました。雰囲気も上手くだしていて最高です。

投稿: しょ〜じ | 2009年5月 6日 (水) 18時21分

しょ~じさん、こんにちは。
雄四郎型、入手されましたか。良かったですね。
正吾さんも高齢になりましたが未だ未だ元気で嬉しいですね!

投稿: 筆者 | 2009年5月 9日 (土) 07時27分

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