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第297夜:ヤフオクの古品(佐藤]喜一)

Kiichi_s15_cyokudo_kao ここ2回は佐藤喜一のこけしを紹介した。今年ヤフオクで纏めて入手した古品こけしの中にも喜一のこけしが1本入っていたので、今夜はそのこけしを紹介しよう。喜一のこけしには大寸物(7寸以上)で胴裾がくびれたもの、中寸(6寸前後)で直胴のもの、小寸(5寸以下)で首の長い作り付けのものの3種が知られている。今夜のこけしは中寸の直胴ものである。残念ながら保存状態が悪く、胴の緑の彩色は殆ど消えてしまい、頭頂部の緑色も微かに確認できるだけである。

「木の花(第参拾壱号)」では佐藤喜一が取り上げられており、各年代のこけしが掲載されている。しかし直胴の中寸ものは昭和10年前後のものが2本出ているだけである。そして本文の説明では、『直胴の形態は15年以降あまり見掛けないが、戦後は特に珍しいようである』と述べられている。

Kiichi_s15_cyokudo_hikaku_2 本稿のこけしには年代を示すような書き込みはない。従って、こけし自体の特徴から判断することになる。写真②の右が本稿のこけしで、左は第295夜で紹介した昭和15年頃の作。先ず木地形態。丸い頭の形は戦後作とは違って戦前作に近い。次に顔の描彩。横鬢が外寄りで顔の面積が広く、眉目も横鬢に沿って外寄りに描かれている。胴模様では、あやめの花弁の形、これも垂れ下がりは感じられず赤の4点描きで、左の大寸ものとほぼ同じ様式。赤のロクロ線の太さや色調も似ている。写真のように並べて見ると良くマッチしていて違和感がない。このようのことから、この中寸の喜一こけしは昭和15年前後の作と考えられる。大寸もの、中寸ものが揃うと、同時期の小寸ものも欲しくなるのは収集家の業なのかも知れない。こうしてまた新しい目標が出来、収集に励むことになるのである。

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