第297夜:ヤフオクの古品(佐藤]喜一)
「木の花(第参拾壱号)」では佐藤喜一が取り上げられており、各年代のこけしが掲載されている。しかし直胴の中寸ものは昭和10年前後のものが2本出ているだけである。そして本文の説明では、『直胴の形態は15年以降あまり見掛けないが、戦後は特に珍しいようである』と述べられている。
本稿のこけしには年代を示すような書き込みはない。従って、こけし自体の特徴から判断することになる。写真②の右が本稿のこけしで、左は第295夜で紹介した昭和15年頃の作。先ず木地形態。丸い頭の形は戦後作とは違って戦前作に近い。次に顔の描彩。横鬢が外寄りで顔の面積が広く、眉目も横鬢に沿って外寄りに描かれている。胴模様では、あやめの花弁の形、これも垂れ下がりは感じられず赤の4点描きで、左の大寸ものとほぼ同じ様式。赤のロクロ線の太さや色調も似ている。写真のように並べて見ると良くマッチしていて違和感がない。このようのことから、この中寸の喜一こけしは昭和15年前後の作と考えられる。大寸もの、中寸ものが揃うと、同時期の小寸ものも欲しくなるのは収集家の業なのかも知れない。こうしてまた新しい目標が出来、収集に励むことになるのである。
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