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第310夜:小松五平のこけし(戦後)

Gohe_s30hajime_kao 昨夜は小松五平の戦前(昭和15年前後)のこけしを紹介したが、今夜は五平の戦後のこけしを見てみたいと思う。五平の戦後のこけしは多数存在し、特に30年代以降のものは中古市場でも良く見かけるので珍しくはない。経年変化が比較的少ないと言われる五平にしても、その戦後作と戦前作の違いは他の多くの工人と同様、顕著である。戦前と戦後という時代の差、また五平の年齢による作行きの衰えもあるのであろう。

五平の戦後のこけしに関して、「こけし辞典」の記載では、『昭和16年以降の戦前作と昭和20年代戦後作とを判別することが比較的むずかしい』『昭和27,8年までは胴のロクロ線は戦前同様赤のみで、それ以降は青の細いロクロ線を入れるようになる』『34,5年より急速に木地描彩とも衰え、表情も弱々しいものとなった』とある。

Gohe_sengo_hikaku 写真(2)の右端のこけしは胴底に「大湯 小松五平」と「1954.8 高セ善治」と二重の書き込みがある。日付は入手日と思われるので、昭和29年以前の作と思われる。木地形態、描彩とも戦前作を引き継いでおり、「辞典」の記載を裏付けている。右から2本目は、胴中央部のくびれがやや上になり緑のロクロ線も入っている。前髪が小さくなり横鬢の間隔も狭くなって顔の描彩はちまちましたものとなっている。胴向って右下に「大湯温泉」の署名がある。29年末から30年代初め頃のものであろうか。左から2本目は表情が一変している。頭と胴の形態、緑のロクロ線が入っていること、胴右下の「大湯温泉」の署名などから、30年代初期の作と思われるが、右から2本目との特に表情の差は大きい。真ん中のこけしは昨夜も紹介した昭和14、5年頃のこけし。頭部の描彩が酷似しているのが見てとれる。蒐集家か誰かの要請により戦前のこけしを復元したものと思われる。左端は胴底に「34.1.14」の書き込みがあり、胴裏下部には「大湯温泉 小松五平」の署名がある。右隣の作を引き継いだものと思われるが、木地形態、描彩とも「辞典」の記載のごとく作行きの低下がみられ、以後はその傾向がますます強まっていくことになるのである。

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