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第308夜:紀元2600年のこけし(2)

Matusaburo_s15_kao このブログの題材を求めて色々と文献を眺めていて、「木でこ(194号)」に掲載されている『伊藤松三郎さんのこけし』が目に付いた。その中の掲載写真に『紀元2600年』の焼き印が出ていたからである。この焼き印に関しては第26夜で高橋武蔵こけしを提示して述べているが、他にも見つかったということになる。また別にブログ「無為庵閑話」でも、同様の焼き印の押された岡崎斎こけしを載せているので、3本は確認できたことになる。(注:本稿掲載の写真は「木でこ」よる転載させて頂いた)

Matusaburo_s15 「木でこ」に投稿されたW氏の記事によれば、このこけしは土湯温泉の「あさひ写真館」で入手されたとのこと。胴に押されたスタンプ(焼き印)に関しては、「第40回全国こけし祭り開催記念誌(平成7年8月)」の記載から、東京こけし会の最初の現地大会が昭和15年7月27日に開催されたこと、このスタンプは武井武雄画伯に依頼して作られたことが述べられている。また、この大会には鳴子の工人として、高橋武蔵、秋山忠、岡崎斎、大沼誓、大沼希三、松田初見、伊藤松三郎、岸正男、秋山忠市、高橋直次、桜井万之丞が出席したとある。この出席工人11人の内、3工人のこけしが確認されたことから、このスタンプの押された記念こけしは、他の8工人のものもあるのかも知れない。わざわざ武井画伯に頼んでスタンプまで作ったのだから、相応数のこけしにスタンプが押されたと考えるのが自然だろう。

また、26夜では製作者として高橋武男の可能性も考えたが、このような事情が分かってくると武男作の可能性は考えられず、しかも出席者に武蔵、直次の両名が居ることから、正吾さんの指摘のように武蔵・直次の合作という可能性が強まったと言えるだろう。昭和15年の時点では、工人がこけしに署名する習慣はなく、合作も普通だったのであろう。

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