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第314夜:戦後の広三こけし(3)

Kozo_s35_kao 奥山広三のこけしはどちらかと言うと玄人好みのこけしと言えると思う。特に戦後の30年代の半ばまでのこけしはそうであろう。どうひいき目に見ても可愛いこけしではない。その表情はむしろちょっと不気味でおどろおどろしい感じさえする。それは、らっこコレクションに見る大正期の盛秀こけしに近いのかも知れない。果たしておみやげ品として売れたのかと疑問にさえ思う。第238夜では、広三の昭和32年作と39年作を挙げて、その違いを説明した。先日のヤフオクで、その中間にあたると思しきこけしを入手したので、今夜はそれを紹介しよう。

Kozo_s35_hikaku 先ず、写真(2)を見て頂きたい。右が昭和32年で左が39年の広三こけしである。真ん中のこけしが今回入手のこけしである。こうして真中に置いてみると、細見で胴長の形態に平頭など全体の雰囲気は32年作に近い。頭は32年作より更に平頭に近くなっている。嵌め込みの首は32年作では南部系のこけしのようにくらくらと動くが、本作ではきっちりと嵌っている。ただ首が長く頭と胴の間に隙間が出来ている。下瞼が下に膨らみ気味で眼点の小さな表情は似ているが、前髪、横鬢、頭頂部の赤い手絡、3筆の赤い横鬢飾りとも小さくなって、32年作のような豪快さは無くなった。39年作との類似点は、胴上下のロクロ線である。緑線は細くなり太い赤線が目立つ配色となっている。とは言え、この辺りまでは山形系の古い様式をしっかり残している。この広三のこけしにおいても30年代の作と40年代以降の作との違いは明白なのである。

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