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第313夜:30年代の高亀こけし

Syogo_s35_kao 本稿のこけしを見て、昨夜のこけしと同じじゃないかと思われた方も多いかと思う。私も最初見た時はそのように思い、胴底の署名を見て驚いたほどである。昨夜は高橋武男の昭和30年代中頃のこけしを紹介した。このこけし同時期の正吾のこけしである。木地形態から胴模様、面描に至るまで、まるで双子のように実に良く似ているのである。今夜はこの二人のこけしから昭和30年代の「高亀」こけしを見てみたいと思う。

Syogo_takeot_hikaku 昭和30年代の「高亀」では当主の武蔵が健在であり、武男、正吾の兄弟に弟子も加わって、一家でこけしを作っていた。作るこけしは戦後の武蔵が確立した所謂「高亀」こけしである。それを手本にして、同じ場所で作るのだから、出来上がるものが同じようなものになるのも納得がいく。まだ、個々の工人よりも家が中心であり、武男のこけし、正吾のこけしというようりも高亀のこけしとして売られていたのであろう。8寸、5寸、4寸たちこの3種について、武男(左)と正吾(右)を並べてみた。いずれも昭和30年代であるが、必ずしも同時期ではないため、多少の差異は認められる。しかし、40年代以降の両人のこけしと比べれば、その差は無いに等しいほどである。今までにも昭和30年代のこけしと40年代のこけしでは大きな違いがあることを述べてきたが、それは「高亀」でも言えること。30年代のこけしには「工人」という『個』を前面に出すのではなく、あくまで「高亀」という一家が中心になることで何とも言えない温もりが感じられるのである。

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