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第328夜:津軽の競作3(阿保六知秀)

Abo_kasakobe_kao 東京中目黒のこけし店「つどい」が津軽系の阿保六知秀さんに幸兵衛型の復元を勧めたのは平成5年のことである。以来、阿保さんは善二、続いて幸兵衛のこけしについて、その写しを各種作ることにより、幸兵衛型を完成させることとなった。この頃の作には製作年月日を記入しており、最初の笠幸兵衛こけしは平成7年2月8日に第1作を作ったことが分かる。今夜はこの阿保さんの笠幸兵衛を見てみたい。

Abo_kasakobe_hikaku 写真(2)を見て頂きたい。胴底の署名は2本とも「温湯 阿保六知秀 幸兵衛型 7.2.8」となっている。同時に作ったにしては、木地形態、描彩ともに違いが見られる。右のこけしは胴の形が全体的に丸みを帯びており胴中央部の括れも大きく、女性的な印象を受ける。一方、左のこけしは肩も丸みが少なく胴は直線的で男性的な感じである。この写しは写真を見ての製作と思われるが、単なる手作業による個体差とは考え難い。阿保さんは昭和44年よりこけしを作り始めており、その木地技術は定評のあるところ。普通に木地を挽けば殆ど同じ形に作れるはずである。写真と比べた感じでは右のこけしの方が「原」に近い。また、胴上部のロクロ線の配色も異なっており、こちらも右のこけしの方が「原」に忠実である。この時に同時に何本作ったのかは分からないが、作っている内にたまたま変わってしまったのか、何か事情があったのか、機会があれば阿保さんに聞いてみたいものである。

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