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第330夜:津軽の競作3(北山盛治)

Moriji_kasakobe_kao_3  笠幸兵衛こけしを津軽系工人の競作として取り上げたのは、名古屋こけし会の定期頒布に本間直子さんの笠幸兵衛こけしが入っていたからであるが、名古屋こけし会では津軽系13工人の笠幸兵衛こけしが展示・解説されたとのことであった。その写真は「伊勢こけし会だより(130号)」に掲載されており、それを送って頂き写真をみることが出来た。今夜は北山盛治さんの笠幸兵衛を紹介しよう。

Moriji_kasakobe 平成6年に「つどい」で今さんの笠幸兵衛を頒布したことは第327夜に書いたが、「つどい」では同じ時期に北山盛治さんにも笠幸兵衛を注文している。本稿のこけしがその笠幸兵衛であるが、今さんとは異なり、盛治風にアレンジされたこけしとなっている。先ず木地形態は肩が丸く滑らかになって女性的な雰囲気になっている。笠の縞模様は頭頂から放射状に8本も描かれており、更に同心円状の横線も入っている。表情は「原」に近い雰囲気を持っているが、胴の牡丹模様は大きく、笹森さんと同様、外側は薄くぼかしている。なお、「伊勢こけし会だより」に載っている盛治さんの笠幸兵衛は平成12年作とあるが、本稿のこけしよりも「原」に近い。今回取り上げた工人以外に「伊勢こけし会だより」に載っている工人は、佐藤佳樹、阿保正文、阿保金光、山谷レイ、間宮正男、嶋津誠一、小島俊幸、北山真由美の8名で、作風はそれぞれ異なる。

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