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第332夜:ピーク期前夜の文吉こけし

Bunkichi_s32_kao この1か月程で7本の文吉こけしを入手した。ヤフオクと東京こけし友の会の例会にてである。それまで文吉こけしは小寸1本しか手元になかったから私にとっては画期的なことであった。ピーク期とその近辺のこけしが集中的に出たからであった。こけし界が低迷している最近でも文吉こけしは人気が高く、ピーク期で保存の良いものは相当の高値が付く。やはり最近ヤフオクに出た昭和36年作(ピーク第1期)は保存完璧で何と10万円を超えてしまった。今夜紹介する文吉はピーク期前の作であり保存もあまり良くないがそこそこの落札価であった。

Bunkichi_s32_hikaku 戦後の文吉は昭和31年頃から師匠の文六に倣ったこけしを本格的に作り始め、その第1のピークは昭和36年とされている。このピーク期のこけしは広く紹介されていて有名であるが、それ以前のこけしはあまり知られていない。ここでは「東北のこけし」を出版された高井氏が「こけし手帖(579)」に寄稿した『文吉こけしの変遷』を参考にしたい。氏によれば文吉は当初、胴模様に椿、菱菊、重ね菊を描いていたと言う。写真(2)の右が椿、左が菱菊模様である。ちなみに第325夜の右が重ね菊模様で、第1期のピーク期はこの重ね菊模様が主体である。『文吉こけしの変遷』には写真②として昭和30年から32年のこけしが掲載されているが、3本ある黒頭はいずれも額の部分の前髪が水平である。一方、本稿の2本はいずれも前髪が下に凹んでいる。これは昭和34年以降に顕署となる。そいうするとこの2本は32年から33年頃を推測される。ピーク期のあの研ぎ澄まされた微笑みでない。このこけしではあどけなくコケティッシュな表情が見どころと言えるのだろう。

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