第352夜:30年代の秋山一雄(蔵王型)
秋山一雄が本格的にこけし製作に力を入れ始めたのは、慶一郎が亡くなった昭和39年以降と思われる。従って、それ以前、昭和30年代のこけしを見かけることは少ない。今夜のこけしは30年代中頃の蔵王型である。一雄の30年代のこけしは、その時期の慶一郎のこけしを忠実に写していると思われるので、「木の花(第参拾弐号)」で慶一郎のこけしを眺めてみる。やや丸くなった頭、かすかにくびれた胴など、昭和34年頃の慶一郎こけしを彷彿させる。慶一郎よりは眼点がやや小さく、優しい表情となっている。写真(2)左に33年作の鳴子型と比べて見た。僅か1,2年の差と思われるが表情にはかなりの違いが見られる。共に保存状態は良く、数少ない昭和30年代の一雄こけしとして大切にしていきたい。
| 固定リンク
「蔵王系」カテゴリの記事
- ★小林清次郎さん、会田栄治さん逝去さる!(2015.03.17)
- 第989夜:新春こけし展(梅木直美)(2015.01.08)
- 第986夜:伊東東雄と栄治郎型こけし(2014.12.30)
- 第977夜:荒井金七の小寸こけし(2014.12.02)
- 第970夜:定番のこけし(秋山一雄)(2014.10.12)
コメント