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第358夜:新春「ひやね」入札会(2)

Keiji_kota_kao 今夜は「ひやね」の入札で入手したもう1本のこけしである佐藤慶治の幸太型を紹介しよう。幸太型も私が力を入れて集めているこけしであるが、慶治の幸太型はなかなか入手する機会がなかった。「ひやね」から送られてきた今回の入札写真には、昨夜の丑蔵と一緒に米浪旧蔵の慶治幸太型が載っており、これも入札に参加したのである。戦前のものでもないので人気がなく、入札者は私1人で入手することが出来た。口絵写真はその慶治の幸太型。

Keiji_kota 幸太のこけしは鹿間時夫氏の追求により判明し、その後、慶治、春二、慶美、辰雄によって復元されていることは以前に書いた。慶治は戦前にも幸太型を作っており、「こけしの美」に作例が載っている。昭和33年5月に鹿間氏が幸太の原品を持参し、慶治がその写しを作ったのが戦後の幸太型の出発点と言える。春二、辰雄が幸太の原品に比較的忠実に幸太型を作ったのに対して、慶治、慶美はかなりアレンジした幸太型となっている。

さて、本稿の幸太型の製作時期はいつであろうか? 慶治は昭和35年8月に没しており、こけしは34年までしか作っていない。鹿間氏による依頼は33年。戦後のそれ以前に幸太型を作っていないとすれば、このこけしは33年5月から34年までの1年半程の間に作られたものとなる。ところで「美と系譜」に掲載された幸太の写しと、本稿の幸太型の違いはあまりにも大きい。頭はほぼ円形、胴は太く肩の部分は面取りがしてある。首は胴部を頭に嵌め込んだもので、首が長く嵌め込みが緩いので、キナキナのように頭がクラクラと動く。胴に鉋溝はない。胴のロクロ模様は数が多く、襟が描かれている。面描でも、前髪が振り分けではなく、横鬢の後ろに耳は描かれておらず、鼻も丸鼻になっている。果たして1年半程度で、このように変化してしまうのであろうか。あるいは33年よりも前に作られたものなのであろうか。私の勉強不足のためか、その辺りの事情は残念ながら未だ分からないのである。

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