第365夜:岩太郎のこけし(1)
以下、「木の花」の解説を引用する。『・・・は丹羽善一氏蔵品(6寸3分)で、<系譜>により岩太郎として紹介された。胴底に「盛岡、44.1.27」の墨書があり44は明治44年のことであろうと推定される。丹羽氏の追求の結果、木地岩太郎、描彩志けよ(明治27年2月7日生)という説が有力になった。赤・緑・赤と3段の旭菊で、両脇にはススキ状の紋様が描き添えてある。4筆の両鬢と眼点に特徴がある。木地形態は肩低く古風で、カンナ溝の刃の入れ方が岩蔵と逆になっている(桜井昭二の言)という。』
写真(2)右が本稿のこけしで、左は桜井昭寛さんの同型の岩太郎型で名古屋こけし会の頒布品。昭寛さんのこけしの方が「原」に忠実に作られている。秀雄さんの作も木地形態はほぼ変わらないが、胴模様は真ん中の旭菊を紫に変え、各旭菊の下に葉を加えている。両脇のススキ状の文様も筆が多く、華麗な胴模様になっている。顔の描彩も昭寛さんは岩蔵風であり、秀雄さんは竹雄風となっているのは、当然と言えば当然のことであろう。岩蔵、竹雄の共通の祖である伝・岩太郎こけしを昭寛、秀雄両氏が復元したのは意義のあることである。
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