第354夜:秋山一雄のこけし(昭和40年代)プレゼント発表
秋山一雄の30年代のこけしは、その当時の父慶一郎のこけしを忠実に写したものであることは前回述べた通りである。従って比較おとなしい目立たないこけしと言うことが出来るだろう。一雄のこけしが変わるのは慶一郎が亡くなってからである。父亡き後の昭和39年の作が「美と系譜」に掲載されているが、筆の良く延びた生気溢れる秀作である。その後、一雄は慶一郎の戦前作を目指すようになる。昭和11年に復活した慶一郎のこけしは量感溢れる豪快な作であったが、その後15年頃までは均整のとれたこけしとなり、その後は目が上方に寄った独特の味わいのあるこけしとなる。写真(2)に一雄の蔵王型を並べて見た。左は前回紹介した35年頃の作。真ん中は慶一郎の昭和10年代後半の目が上方に寄った時期を模したものであろうか。そして右は10年代前半の気品のある慶一郎の型であろう。昭和42年には、この型で全日本こけしコンクールの内閣総理大臣賞を取ったのである。
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