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第369夜:33年伝喜こけしの魅力

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立春も過ぎたというのに今年は寒い日が続いている。今日も朝から雪混じりの天候で屋根がうっすらと白くなっていた。一昨日落札したヤフオクのこけしが届いた。6寸4本組である。この中では33年の伝喜と忠蔵の梅こけしがお目当てであった。この2本、保存状態は出品解説にあった通り極美。大満足である。今夜はその内の伝喜を紹介しよう。

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弥治郎の佐藤伝喜のこけしと言えば昭和33年6月の復活作がつとに有名である。これについては第94夜で述べた通りである。その際、参考にしたのは「木の花(第弐拾五号)」である。94夜で紹介した伝喜こけしは同じ33年6月作ではあったが、「木の花」掲載品とはやや木地形態、描彩に違いが見られた。さて、写真(2)右が本稿のこけしで、左は94夜で紹介したこけし。本稿のこけしは「木の花」掲載品と形態、描彩ともほぼ同じと言える。こうして同寸で並べてみるとやはり見た目の違いは大きく、復活の経緯を記載した「こけし手帖(22号)」を改めて読んでみた。記事には、この違いに関係のあるような記述は見られなかった。ただ「復活後の伝喜こけし」として掲載されている写真を見ると、平頭で控えめな瞳のものと、やや丸頭で明敏な瞳のものがあることが分かる。従って、同じ6月作でも2種類の雰囲気の異なる伝喜こけしがあると認識した方が良いと思えるのである。それが意識的にそうしたのか、自然の流れでそうなったのかは分からない。また、どちらが先なのかも分からない。一番

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の違いは目の描彩であろうか。普通に考えてみると、右のこけしは極自然にさらっと描いたもので、いかにも弥治郎こけしらしい素朴で控えめ目な雰囲気が漂っている。一方の左のこけしでは、瞳に勢いが感じられ、作者の気持ちが強い表情に表れている。先ずは右のようなこけしが作られ、その過程で生まれた伝喜さんの自信が左のようなこけしを生んだのであろうか。どちらのこけしを選ぶかは好みによるところであが、このような楽しみ方も出来るから、こけし収集は止められなくなってしまうのであろうと自笑するばかりである。

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