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第367夜:岩太郎のこけし(3)

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立春を過ぎても寒い日が続いている。ここ数年暖冬気味だったためか余計に寒く感じる。こけしの産地の東北地方も相当な雪に悩まされているようだ。お陰で風邪気味の体調がなかなか回復しない。さて、今夜も昨夜に引き続き、岩太郎のこけしの復元作を見ていこう。<奥羽旅情>に掲載された深澤要の版画のこけしである。口絵写真は大沼秀雄さんの復元作。

Hideo_fuka_iwataro_hikaku_2

今回参考にしている「木の花(第弐号)」の『大沼岩太郎考』によれば、「この原画は、子寿里庫(岸本コレクション)の岩太郎と思われるこけしのスケッチと言われている。岸本コレクションは一部天理参考館へ移った他、全て焼失したので既に原品は存在しないであろう。」と。その版画を見てみると、胴は細見で肩の部分にカンナ溝が1本入っている。胴模様は縦長の正面菊と思しきものを一面に描き、下部には葉とも土とも思える模様が入っている。またカンナ溝の上には一筆の点が打たれている。これは「投げ筆」と呼ばれるもので、庄司永吉のこけしの見られるものである。面描は一筆目に二筆の鼻など、昨夜の川口岩太郎と同様の形式と思われる。

写真(2)は右が秀雄作で左が昭寛作、いずれも名古屋こけし会の頒布品である。現物ではなく、かなりデホルメされた版画による復元のため、両氏の解釈により描彩はかなり違ったものとなっている。秀雄さんの復元作は版画に忠実であり、色(特に緑色)のみ自身の解釈で使い分けている。一方の昭寛さんは、胴は川口岩太郎同様に下部にもカンナ溝を入れている。胴には黄色を引いてその上から正面菊を描いているが、下部の模様は版画とは異なり緑の茎と葉を描き、最下部に赤い土を描いている。岩太郎こけしを継承した大沼家、桜井家であるが、今ではそれぞれに確立した様式が出来上がっており、復元作にもそれが表れているのであろう。いずれにしろ、秀雄、昭寛の両氏により、伝・岩太郎のこけしが復元されたのは、名古屋こけし会の功績であり喜ばしいことである。

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コメント

この度、仙台の青葉こけし会のブログを立ち上げました。
リンク先に、こちらのページを登録したのですが、
ご都合悪い事や、失礼な事がありましたら、どうぞお知らせ下さい。

リンクの順番は、団体から並べてあります。
どうぞよろしくおねがいいたします。

事後報告になって、申し訳ありません。

投稿: 青葉こけし会ブログ管理 | 2010年2月 9日 (火) 09時05分

先ほど入れ損じてしまいました。

http://aobakokeshi.blog97.fc2.com/

よろしくお願いいたします。

投稿: 青葉こけし会ブログ管理 | 2010年2月 9日 (火) 09時11分

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