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第371夜:忠蔵の梅こけし

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これも先日のヤフオクで33年伝喜こけしと一緒に入手したもの。ゲテ物と言われてしまうかも知れない。こけしは木地挽きにしろ描彩にしろ高度な技術が必要なものではない。従って年期を積んだ工人なら、他系統のこけしでもそれなりに作ることは容易なのであろう。あの小椋久太郎作の盛秀型などもあるやに聞く。結局は入手難の工人の作を、何とか手に入れたいがために、蒐集家が他の工人に依頼した結果が、このようなこけしが生まれる要因となっているのであろう。口絵写真は高橋忠蔵の梅こけしである。

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土湯系の高橋忠蔵が変わり型のこけしを作ったという話は聞いたことがあったが、そのこけしを実際に目にしたのは初めてであった。そこで、「こけし辞典」の忠蔵の項を読んでみた。関係する記述としては、『また一時注文により弥治郎系の梅こけしの型を作ったことがあるが変則的な物であった。』とある。更に「木の花(第四号)」の「戦後の佳作」では第一期原の町時代の解説の中で『花模様が中心で、当時の新型ブームの影響が混る。特に、大野栄治張りの梅こけしは駄作である。』と切り捨てられている。

さて、本稿のこけしであるが、胴底の署名は「福島県原町 高橋忠蔵作 六十七才」で「三五.一.二六」の張り紙がある。35年4月には東京日野に移るので、原の町での最後に近いこけしである。「駄作」とされたこけしであるが、流石に忠蔵作だけあり、西洋の椅子を思わせる胴の形態や梅の模様は見事である。大野栄治の梅こけしを念頭に作ったものであろうが、頭頂部は弥治郎系のベレーではなく土湯系の蛇の目になっている。忠蔵の他の土湯系本来のこけしと同列に並べるのは無意味であり、木地玩具の一種として見れば面白い作品ではある。

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コメント

heart( ^ω^ )欲しいribbonpresentsign01
吃驚!ですがなんて可愛いcherry保存状態もscissorsですね。どこかのお店に出てこないかなlovelyとつい期待してしまいました。

投稿: こけりん | 2010年2月21日 (日) 22時38分

大きさも6寸で保存も良いので西洋人形のように可愛いこけしです。でも、この型のこけしはあまり作っていないようですね。
どこかの店かオークションに出るのをじっくり待ちましょう!

投稿: 国恵志堂 | 2010年2月21日 (日) 23時05分

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