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第382夜:慶治の幸太型

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このブログは毎夜1話ずつ書き上げていくのが原則であるが、それはとても無理な話である。仕事もあり平日に書くのは難しいので、休日などに書き溜めて置いたものを一日一話ずつ掲載していくことになる。それでも暫く間が空いてしまうこともある。せっかく覗きに来て下さる方々には申し訳ない次第である。さて、今夜は佐藤慶治のこけしを取り上げてみたい。幸太型のこけしである。

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私が力を入れて集めているこけしの一つに弥治郎系の幸太型のこけしがある。幸太型は鹿間時夫氏の探求により判明し、その後、慶治、春二、辰雄、慶明、慶美、純一がこの幸太型を作っている。私は、この中で慶治の幸太型をなかなか入手することが出来ず、ようやく昨年暮の「ひやね」入札会で手にすることが出来た。慶治が鹿間氏の依頼により、黒くなった幸太こけしの写しを作ったのは昭和33年の6月であるが、慶治は戦前に既に幸太型を作っており、それは「こけしの美」のNo99に掲載されている。深沢コレクションのもので昭和15年5月作という。慶治は昭和15年春に木地業を再開したので、再開直後の作と言うことになる。そのこけしは幸太作と比べると、鉋溝の位置や目の描彩などに違いが見られるが、概ね幸太の作風を継承しているのが分かる。

本稿のこけし(8寸)は米浪旧蔵品。慶治は昭和35年8月に没しており、こけし製作は34年迄とのこと。従って、本作は鹿間幸太の写しを作った33年後半から34年頃の作と推定される。胴には鉋溝は無く、頭はゆるい嵌め込みで南部系のキナキナのようにグラグラ動く。頭頂部の手書き模様などは幸太を伝承しているが、蒲鉾状の前髪、横鬢や耳状でない鬢飾り、下瞼のある瞳などは慶治独自のものであり、黄色地に多数のロクロ線を配し、襟まで付けた描彩は華麗で愛らしいこけしになっている。

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