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第387夜:偽「弘道の微笑み」発見!

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現在ヤフオクに出品されているこけしの中に、ちょっと気になる作があったのでお知らせしたい。それは胴底に書かれた日付が、明らかに間違ったものだからである。そもそも、胴底には工人自身の署名以外に、入手者がメモのつもりで記入したものもあり、日付や購入場所、値段などが多い。この中で特に注意を要するのが日付であろう。工人が書いた場合には製作日であることが多いが、入手者が書いた場合は入手日であることが多い。中古(古品)で入手した場合には、この日付は製作時期を示す指標ともなるが、間違っている場合も多いので気をつける必要がある。

Hiromichi_nise_s34_syomei

口絵写真はその出品作でタイトルは「斉藤弘道 8寸初期作」とある。本ブログをご覧になる方々であれば、「初期作」がとんでもない間違いであることは直ぐに分かるであろう。出品者の解説には『昭和34年(1959)の作』とある。これは、このこけしの胴底に「昭和34年」との記入があったからであろう。出品者がこけしに関して全くの素人であれば、それも仕方のないことと笑っていればよい。しかし解説の続きには『「弘道の微笑み」は太治郎から引き継がれたもので、昭和33年と昭和42年の作品が高く評価されますが変わらぬ昭和41年の「弘道の微笑み」を昨年出品しました。昭和31年には制作していたようですが昭和33年が本格デビューとされており、今回はデビュー間もない昭和34年の作品を出品いたします。』と。これを読むと出品者はこけしにはかなり詳しい人を思われる。更に驚いたのは「弘道の微笑み」と書かれていたことである。「これってどこかで聞いたことがあるな」。そう、本ブログで弘道のこけしを紹介する時に使ったいたフレーズである。これを見た瞬間、このまま黙って見過ごすことが出来なくなったのである。本当の弘道34年作は、本ブログ(第24夜、162夜)で見て頂きたい。この出品作がそれとは似ても似つかないものであることは一目瞭然である。

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ついでにコメントしておく。同出品者から現在出品されている佐藤喜一のこけし。これも胴底の記入から「昭和13年作」となっているが、果たしてそうであろか。胴の形態が戦前とは違うし、戦前に「喜一」と著名はしていないであろう。ただ、あやめの花弁が垂れていないのが気になるが。

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コメント

喜一のアヤメも何か違和感があり元絵を削り加筆修正したと考えても間違いはないものである。
之極めて悪質、終了した品物も半分は同様です。

投稿: 四条天狗 | 2010年4月11日 (日) 17時03分

コメントありがとうございます。
全部ではないのでしょうが、特に戦前ものと称して胴底に墨で日付を書きこんだものは怪しいですね。本当に見る目がないと騙されそうです。

投稿: 国恵志堂 | 2010年4月11日 (日) 19時31分

この出品者のものは、状態が良く高値で落札されることがままあるが以前落札した鳴子のものは、首がかなりゆるくなっておりそのことを連絡したが、無視されたことがありました。入札には、ご注意のほど

投稿: | 2010年4月11日 (日) 22時19分

盛秀も加筆修正してるので要注意!〔先日の菅原敏達磨と筆使いが全く同じ〕

投稿: 四条天狗 | 2010年4月12日 (月) 11時31分

他の方からも、落札したこけしに加筆があったとの報告がありました。芸術作品なら修復と言うことで作品に手を入れることはありますが、こけしにそれをして、しかも売買しては許されないでしょう。

投稿: 国恵志堂 | 2010年4月12日 (月) 22時46分

 写真での判断なので断定は出来ませんが、先に終了した善作や源吉、現在出品中の盛秀も、色(我々が使用している染料の青竹とは思えません)と言い筆致と言い、加筆修正されているように感じます。ネット・オークションはそれなりにリスクは存在すると思いますが、出品者(知人の代理と称していますが、その割に蘊蓄を述べ過ぎ)が知らずに出しているのなら兎も角、商品説明で断定もしていますし、それらが自らの行為だとしたら詐欺に等しいですね。

投稿: kokekokko | 2010年4月13日 (火) 18時39分

何とか疑惑の喜一こけしをゲットして解明したかったのですが、高くなり過ぎました。流石にあれ以上の金額は入れられませんね。残念です。

投稿: 国恵志堂 | 2010年4月15日 (木) 22時19分

現在出品されてる武男作も、筆ペンによる著名の加筆が気になります。

投稿: これも | 2010年4月22日 (木) 10時50分

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