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第389夜:新次郎のこけし(2)

Shinjiro_s16a_kao

ここ数日、本ブログへのアクセスが急激に増えてちょっと驚いている。こけしの本の紹介と偽弘道の記事が原因のようだ。いつものこけし紹介とは少し趣が違っていたのが興味を引いたのかも知れない。それはさておき、今夜は先に入手した3本の阿部新次郎のこけしの内、昨夜紹介しなかった残りの1本を紹介しよう。3本同時に紹介しなかったのは、今夜の1本は他の2本と作風がやや異なっていたからである。

Shinjiro_s16a_hikaku

本こけし(写真2の右、左は第262夜のこけし)の胴底のシールには「十六.五.二四」との書き込みがある。昨夜の太子型とは2日違いである。これは何を意味するのであろうか。現地に赴いて購入した日であれば、何日間か現地に滞在したということなのであろうか。このこけしを昨夜のこけしと比べてみると木地形態(特に頭)と面描に違いがあることが分かる。当時は今のように「××型」など、幾種類もの型を作り分けるようなことはなかったはずである。ところが「こけし辞典」を見てみると、新次郎の項の解説の中に『なお、<風土><美術出版こけし>の掲載こけしは、昭和16年に収集家が新次郎に昔を思い出して作らせたこけしで・・・』とある。そのこけしは頭頂部が平らでなく、表情もあどけない。写真2右のこけしの頭の形と表情はそれに近い。但し、<風土><美術出版こけし>掲載のこけしは、胴がロクロ線のみである。従って、本項のこけしは、形態と顔の表情は昔の様式であるが、胴模様は当時新次郎が作っていた花と虫模様を描いたこけしということなのかも知れない。

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