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第388夜:新次郎のこけし

Shinjiro_s16_kao

今夜は先月ヤフオクで入手した阿部新次郎のこけしを紹介したい。入札には新次郎が3本、治助が2本の計5本が纏めて出品されており、いずれも昭和16年頃のもので保存状態も良いということもあって、それなりの落札価となった。私は黒くなった新次郎を1本しか持っていなかったので、治助と新次郎のこけしを勉強するためもあって入手したのである。こけしと言っても好みがあるので、沢山集めているものはそれなりに詳しくなるが、そうでないものは知識もあまりないままなのである。こけしを入手することは、その工人とこけしについて勉強する切欠ともなるのである。

Shinjiro_s16_hikaku

今夜は新次郎の3本のこけしの内2本を紹介したい。写真(2)の右2本がそのこけしで左のこけしは第262夜で紹介したものである。新次郎の略歴は第262夜を参照されたい。右端の太子型には胴底にシールが貼ってあり、入手者の几帳面な字で「十六.五.二六 土湯 阿部新次郎」の記入がある、作夜のブログで『胴底の日付の記入には要注意』と書いたが、この出品者のこけしは信用して良いであろう。中央のこけしの記入は「福島懸 土湯温泉 阿部新次郎」とあり日付はない。ただ面描、胴のロクロ線の感じから、同時に求めたものと考えられる。新次郎のこけしは昭和15、6年のものが多く残っているとのことなので、まさにその頃のこけしなのであろう。保存が非常に良く退色は見られないため、胴の緑、紫のロクロ線が鮮やかである。中央と左のこけしを比べてみると、頭の形や顔の描彩にやや違いが見られる。左のこけしは頭頂部に丸みが少なく、表情もきりりとしている。真ん中のこけしは両方の上瞼の目尻が長く延び、精彩を欠いた表情になっている。右の太子型も頭が大きく、あまりバランスが良いとは言えない。

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