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第394夜:年代推定(是隆大正型)

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年代詐称や加筆・修正疑惑が囁かれる中、そのヤフオクで1本のこけしを入手した。柿澤是隆さんのこけしである。独特の胴模様から、それが大正型であることは分かったが、面描などは今までに見かけたことがないものである。出品者の解説では「昭和52年作、52年入手」とある。こけし自体には、是隆さんの署名以外に製作時期を示すような書き込み等は見られない。もちろん、是隆さんに会って見て貰えば正解は出てくるのだが、それは後での楽しみにとっておいて、とりあえず分かる範囲で年代推定を試みてみた。

Koretaka_taisyo_s52_hikaku

鳴子系「高勘」の大正型は、このブログではかなり取り上げている。高橋盛が大正時代に作ったと言われるこけしで、昭和43年に福寿さんにより復元され、以後、高勘の各工人によって作られている。柿澤是隆さんは盛雄さんの弟子で、一時福寿工房の職人をしており、昭和47年に独立して本格的にこけしも作り始めた。今でこそ是隆さんのこけしは巷に溢れているが、初期のものは多くはない。この大正型もいつから作り始めたのかは本人に確かめていないので現時点では判然としない。ただ、本作が大正型の初期の作であろうことは推測される。それでは、出品者の言う「昭和52年」は正しいのであろうか。先ず、文献等では、このこけしは見たことがない。是隆さんは福寿さんの木地下を作っていたから、その初期の作品は福寿こけしの影響が大である。従って、この是隆大正型の年代推定を行う際に参考とするのは、やは

Koretaka_taisyo_s52_syomei

り福寿大正型であろう。写真(2)は中央が本稿のこけし、左は55年作の大正型、右は52,3年頃の福寿大正型。まん中と右のこけしを比べて、その胴模様が酷似しているのが分かるだろう。福寿大正型のこれより前の胴模様は少し異なるので、是隆さんは、この時期の胴模様を参考にしたであろうことは想像に難くない。流石に、面描は自身のものとなっているが、細い二側目で緊張感のある良い表情である。私は年代推定に署名も重視するので、それも比較して見た。中央が本稿のこけしで、左は55年作、右は48年作(普通型)である。真ん中と右は殆ど同一と言えるが、左では字体が変わり「作」も入っている。真ん中のこけしが左より古く右に近いことが署名からも裏付けられる。従って、本稿のこけしが昭和52年作(と言っても後半であろう)と言うのは、概ね妥当と思われる。

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