第414夜:古型ロクロ続編3(恵介)
津軽系の「古型ロクロ」と呼ばれているこけしは、私が特に力を入れて集めているこけしで、鉄則、美津雄、陽子、恵介各工人のこけしを紹介してきた。その中で、この古型ロクロの目は開き目であるが、下瞼が上に凸の三日月目型と下に凸の十日月目型があること述べてた。恵介さんの場合は、113夜が十日月目で、172夜が三日月目にあたる。ただし、113夜のこけしは特定の盛秀こけしの写しであり、陽子さんの十日月目とは違っている。そういう意味から言えば、今回のこけしが本格的な恵介版十日月目ということになるのだろう。写真(2)にこれまでの恵介古型ロクロのこけしを並べて見た。製作順は向かって右(05.7/16初作)、左(08.1/15)、中(10.3/17)である。頭の形、胴の形態、面描、ロクロ線、それぞれに違いが見られる。そして年を経るに従って、次第に洗練されてきているのが分かる。その分、津軽の土俗的な面白さが薄れてしまったのは惜しまれる。恵介さんは未だ若い。色々と挑戦することは良いことだと思う。そもそも盛秀さんが色々なものを作ったことが、盛秀こけしの多様性に繋がっているのだから。そこから次代の新しい津軽こけしが生まれるのかも知れないのだから。
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