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第406夜:田中敦夫のこけし

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このところ角四郎、源吉と蔵王系の松治系列のこけしをとりあげているので、今夜は田中敦夫のこけしを取り上げてみたい。敦夫は源吉のこけしを引き継いで、蔵王温泉にて数少ないこけし工人として頑張っていたが、既に故人となってしまった。敦夫のこけしは生前からよく見かけたが、今ひとつ気に入ったものがなく、良いこけしを探していた。本稿のこけしは中古で求めたもので、敦夫の代表作と言っても良いだろう。

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蔵王系の田中敦夫は昭和13年の生まれ。昭和32年に斎藤源吉に弟子入りし木地修業を始め、こけしは昭和33年より作っている。昭和37年4月に年期明けし、38年11月より独立して開業した。さて、本稿のこけしであるが、胴底に「37.5.27 大阪こけし教室」の鉛筆書きが見えるので、大阪こけし教室での頒布品と思われる。37年の4月に年期明けして直ぐに作られたものと考えて良いであろう。頭はやや縦に長めの長円形で眉目は顔の上方に寄っており、溌剌として生気に溢れた表情である。胴模様は源吉譲りの緻密で華麗な重ね菊を隙間無く描いている。「こけし辞典」では『昭和38年ころからさらに手なれて表情が整ってきた。』と評しているが、37年の年期明け時点で、既に気力溢れる充実したこけしを作っていたのが分かるのである。

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