第413夜:久太郎のこけし(4)
写真(2)は、向かって右から昭和16年頃、本稿のこけし、昭和20年代後半の久太郎こけしである。一見した感じでは、本稿のこけしは左のこけしに良く似ている。特に胴模様の描き方などは殆ど一緒と言えるだろう。それに比べて、右のこけしとはちょっと距離感がある。例えば、襟の締まり具合など、右はやや開いているが、真ん中と左はしっかり閉じている。ところが、本稿のこけしは胴底に鉛筆で「十九年」と書かれているのが見て取れる。もし、これが正しいとすると、左のこけしよりも右のこけしに近いということになる。確かにパッチリ開いた瞳は、右のこけしと相通じると言えなくもない。そうすると、左のこけしの年代も20年代前半にまで遡れるのかも知れない。戦後の20年代は類例が少なく、まだまだ分からないことが多い。久四郎のこけしが木地山を代表するこけしとして評価が高いこともあって、久太郎のこけしも久四郎型のものが良いものとされる。しかし私もむしろ、久四郎からはやや距離を置いた、この時期の久太郎こけしに魅力を感じる。それは、久太郎自身の思いが素直に表れているからなのかも知れない。
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コメント
久四郎工人のこけし、今年の秋田県こけし展会場のショーケースに年代毎にずらーっと並んでいました。こけし展の時期だけなのか、そこではずっとそうなのかは不明ですが、壮観でした。
投稿: kuma | 2010年5月28日 (金) 03時55分