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第418夜:友の会旅行(勘治2)

Kamei_100529_kanji_tocyo_2

昨夜はカメイ記念展示館に所蔵されている新発見の勘治のこけしを紹介した。明治期にまで遡れるこけしは僅かしか確認されていない中で、勘治のこけしは数が多い方である。このカメイ勘治は胴底に『鳴子 高橋武男(初期) (大正末年・・・)』との書き込みがある。高橋武男の初期作と考えられていたのであろうか。勘治は大正10年に亡くなっており、武男は大正5年の生まれだから、いずれにしてもここに書かれた「大正末年」の意味するところが良く分からない。口絵写真は、カメイ勘治の頭頂部。

Kamei_100529_kanji_3men

Fukujyu_tatigiku_yoko

このこけしの一番の特徴は、その胴模様が他に類例を見ないことである。写真(2)は胴模様を3方から見たものである。勘治の大寸こけしは菱形の正面菊を2輪、重ねて描いているが、その正面菊の上半分を重ねたような模様なのである。半菊とか立ち菊と言われるものに近い。そしてその両側に茎葉を描き、蕾を添えている。この胴模様に近い模様を探して見ると、『原郷のこけし群(第1集)』の<129>高橋勘治一家(7寸)が似ているのが分かる。この<129>は友の会25周年の記念こけしとして福寿により復元されている。それを写真(3)に示す。菊の形はかなり違っているが、2段重ねの菊の下部から茎が中央と左右に3本伸びてきて、左右の茎には蕾が付いている。これにより、この珍しい胴模様もしっかりと引き継がれてきたのが分かるのである。但し、現行の「高勘」の工人は、この模様を描いていないのは残念である。

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