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第423夜:友の会旅行(幸太型)

Fukazawa_imasaburo_kota

日本こけし館に展示されている深沢コレクションには2本の幸太型のこけしがあった。1本は佐藤今三郎、もう1本は佐藤慶治のこけしである。弥治郎系の佐藤幸太のこけしは、昭和33年に鹿間時夫氏により真っ黒になった古こけしを今三郎に見せて確認された。それ以来、幸太の子孫にあたる慶治、春二、辰雄、慶美などにより復元されている。今回、今三郎、慶治が戦前に幸太型のこけしを作っていることが明らかになった。特に今三郎の幸太型は、私にとっては始めて見るものであった。(慶治の幸太型は「こけしの美」に掲載されている) 口絵写真はその今三郎の幸太型の頭部。

Fukazawa_kota_hikaku

日本こけし館では、ガラス戸を開いて深沢コレクションの古品こけしを鑑賞し、写真に撮ることが出来たのであるが、今三郎と慶治のこけしはやや離れた場所に展示されており、残念ながら並べて写真に撮ることは考え付かなかった。そのため、写真(2)では画像上で並べて表示した。右が今三郎、左が慶治の幸太型である。木地形態、胴のロクロ模様、手描きの頭頂部や耳の描彩など、主要な部分は幸太のこけしに倣っているのが分かる。但し、細部には違いも見られる。先ずは胴の鉋溝の位置と本数。今三郎は幸太と同様、胴下部に2本入れているのに対し、慶治は胴中央部に3本入れている。次に目の描法。今三郎は一側目であるのに対し、慶治は下に凸の下瞼が付いた二側目になっている。これは、それぞれの自身のこけしと同じ様式ということになる。他に前髪の部分もやや異なるようだ。これは、今三郎は幸太のこけしを比較的忠実に引き継いでいるのに対し、慶治はそれを元にしながらも、かなり自身のアレンジが加わっていることを示すものであろう。

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コメント

今三郎「幸太型」、『こけしの美』カラーページ左側のものですね。(№20=今回ご覧になったもの)佐藤慶治・春二の幸太型が夫々に個性豊かなのに較べ、今三郎のはころころした頭つきに小さめで穏やかな目鼻立ち…「抑え目な感じ」に惹かれるものがありますheart04生前、土橋氏に「俺の工夫なんて、なんにもない。ただ、親父を真似しただけだ。なんぼ真似しても、親父にはかなわなかった」と語った記録(『こけし工人伝』より)からすると、幸太の「元」に最も近いものを生涯作り続けたのは今三郎、と考えるのが妥当なのでしょうね( ^ω^ )

投稿: こけりん | 2010年6月27日 (日) 10時35分

不覚にも「こけしの美」では今三郎の幸太型とは思わなかったのです。今回、現物を直に見て幸太型だとはっきり認識できました。今三郎が幸太を一番忠実に継承したと言うのは、こけりんさんの仰る通りだと思います。

投稿: 国恵志堂 | 2010年6月27日 (日) 22時47分

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