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第417夜:友の会旅行(勘治)

Kamei_100529_kanji_atama

今回の旅行で私がどうしても見たかったのが勘治のこけしである。カメイ記念展示館に勘治のこけしがあるという噂は聞いていたが、先日発行された『古作こけし名品録』を見て驚いた。あの天理勘治とうり二つのこけしが載っていたからである。但し、胴模様が違う。しかも今までに見たこともない模様なのである。これを実際に手にとって見て、写真では見えない部分を確認するのも楽しみであった。今夜はその勘治こけしを見てみたい。口絵写真はその勘治の顔アップ。

Kamei_100529_kanji_hikaku_2

この手の勘治こけしは3本確認されている。1本はこのカメイ記念展示館のこけし(以後、カメイ勘治と称す)。2本目は天理参考館のこけし。これは昨年、東京でも展示された。そして、3本目は「日本土俗玩具集」に載っているこけし。天理勘治と土俗玩具集の勘治は胴模様も同じで、当初は同一のものと思われたが、写真を詳細に比べた結果、別物と判断されている。但し、この土俗玩具集の勘治の現物の所在は不明である。写真(2)の右がカメイ勘治で、左が天理勘治。それぞれの記載資料によれば、大きさはカメイ24.8cm、天理25.2cmと、ほぼ同じ大きさである。写真の比較では、頭の形が天理はやや横広の平頭に近いの対し、カメイは円形もしくはやや縦長ぎみである。前髪、3筆の水引、やはり3筆の鬢飾り、水平に近い眉、十日月形の目、丸鼻に縦長のおちょぼ口など、顔の描彩は殆ど同一と言って良いであろう。従って、製作時期に大きな違いはないと思われる。

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コメント

勘治型は、量感、安定感たっぷりでうっとりします。
今の鳴子系はもっと型が角張った感じが多い気がしますが、
このなだらかな肩は優しげな印象を受け、なかなか好きだな
と、思いつつ見てました。

投稿: kuma | 2010年6月 4日 (金) 06時40分

私もこけしを集め始めた当初、鳴子系は肩が張ったものだとばかり思っていましたが、明治の頃から「高勘」のこけしは丸肩だったのですね。これが「高勘」の雅さの要因の一つでもあるのでしょうね。

投稿: 国恵志堂 | 2010年6月 4日 (金) 08時22分

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