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第427夜:ピーク期とその周辺のこけし(清次郎4)

Sejiro_s46_kao

今夜も清次郎さんのこけしである。清次郎の吉太郎型こけしとその復元の経緯については『こけし手帖(545号)』で井田氏が詳しく述べている。その中の『赤湯手(6寸5分)』については第198夜で、『雪女』については第203夜で、また『写楽』については第426夜で紹介した。それ以外の復元作の内から『旧久松蔵品(7寸1分)』と『旧小野蔵品(6寸7分)』を紹介したい。ともにロクロ線のない白胴の傑作である。口絵写真は久松吉太郎型こけしの顔アップ。

Sejiro_s46_2hon_daruma

写真(2)の中央が久松吉太郎型で大きさは5寸8分。胴裏下部に全日本こけしコンクールのシールが貼ってあり、「山形作並系、1部、No19、¥560、即売、白石市」と書かれている。また胴底には「46.5.21 小田急」との入手者の記入がある。昭和46年の全日本こけしコンクール東京大会で販売されたものであろう。両目が中央に寄った集中度の高い表情のこけしで、木地形態、胴の描彩とも申し分ない出来である。写真(2)左は小野吉太郎型で大きさは6寸5分。胴底には「1971.12.12」の書き込みがあり、やはり昭和46年のこけしであろう。こちらは、横鬢が外側にあり、両目の間隔にもゆとりがあって、鋭いがややおおらかな表情となっている。達筆な胴模様は、花冠の形や花弁数が久松吉太郎型とは異なり、「原」が違うことが分かる。こうして見てくると、清次郎の吉太郎型の優品は昭和40年代迄に集中しているように見える。それは清次郎が昭和50年代以降、小林家の多くのこけしの復元に挑戦していったことと無縁ではなかろう。流石の清次郎を持ってしても、多くの異なる型のこけしを手がけることは、知らず知らずの内に本筋の吉太郎型を平凡なものにしてしまったのであろう。写真(2)右の達磨はヤフオクで今週入手した清次郎の達磨。鋭い表情は吉太郎を思い描いたものであろうか。

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