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第438夜:還暦の危機

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またまた間が空いてしまったが、実は入院していたのである。2週間ほど前から運動(短距離を歩くだけでも)すると胸苦しさがあり、診察やら検査やらを受けていたがハッキリしなかった。それが先週の月曜~火曜とホルター心電計(24時間心電図を記録する携帯用の心電計)を付けて検査をした結果、異常が見つかり、木曜日に緊急入院をすることになった。かなり危険な状態とのことで土曜日に心臓カテーテル手術を受けた。今夜はその報告なので関心のない方はスルーして頂きたい。口絵写真は、入院する前、最後のヤフオクで入手した春二のこけし。

入院して心臓カテーテル検査を行った結果は、心臓の右冠動脈に95%の閉塞部があり、殆ど血液が流れない状態で、いつ心筋梗塞を起こしても不思議はないということであった。そのまま手術に入り、患部を風船で広げ、血管を塞いでいるペレットを除去し、ステントという細い管を差し込むことになった。手術自体は足の付け根の股の部分からカテーテルを入れて行うもので、腰部への局部麻酔。もちろん頭ははっきりしていて、手術をしている先生や看護師、技師さんの話し声も聞こえる。カテーテルを入れた部分に鈍痛があるくらいで殆ど苦痛はない。私の場合は、閉塞部が結構大きく、2.3cmのステントを入れることになった。検査を含めた手術時間は1時間45分ほどで無事終了した。終了後、撮影した画像(動画)を、先生が説明してくれる。手術前の詰まった冠動脈にはドキッとさせられた。その後、ステントが挿入され、再び血液が流れるようになったのを確認して胸を撫で下ろした。そのまま術室から病室に移ったが、本当の苦しみはこの後にやってきたのである。股間より入れたカテーテルの傷口からは血が吹き出るために暫くの間は圧迫して止血する必要があるのである。そしてこの間は動いてはいけないのである。そのため、尿道には尿管も挿入されている。その他に腕からは血をサラサラにする点滴の管を入れ、胸には心電計も付けられている。最初は、仰向けに横たわっているだけだから、寝てしまえばいいと安易に考えていた。ところがである。背筋を伸ばしたままの状態が続くに従って、腰部に言いようもない鈍痛が始まったのである。胸や腹も上から押しつけられる状態に耐え難い苦しさを感じる。腰の鈍痛は次第に激しさを増す。当夜はTVで「剣岳 点の記」を放映していたので、深夜まではそれで何とか気を紛らわせていたが、それが終わってからは目を瞑っても全く眠れない。ただただ夜が明けて先生が来てくれるのを我慢して待つ他はなかったのである。ようやくその苦しみから解放されたのは翌日曜の10時過ぎ。ベッドの頭部の角度を上げて貰って、ようやく腰部への負担がなくなり楽になった。カテーテルの傷口もほぼ固まり、術後から続いていた血尿も解消されて、午後からは前夜の不眠もあり爆睡状態となった。そして、今朝。先生の診察で傷口も問題ないとのことで、退院が決まったのである。再びホルター心電計を付けて病室を後にし久しぶりの我が家に帰って来た訳である。

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さて、本稿に載せた春二のこけしであるが、このこけしは胴底に「1950年 於飯坂」との記入がある。1950年(昭和25年)は私が生まれた年である。すなわち、このこけしも私と共に還暦を迎えたのである。これも何かの因縁なのであろうか。大きさ5寸2分で保存状態はほぼ完璧。弥治郎の小寸の形態で、胸部の襟模様と胴下部の旭菊模様の間に四つ花模様を描くには昭和30年代までの特徴。眉のみ薄墨で描かれているのは何か訳があるのであろうか。可憐な愛すべき小品である。

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コメント

大変なことになっていたのですね!
しかし、無事退院なさって本当に良かった。
まだまだ暑いという予報を毎日聞きますから、どうぞお大事になさって下さい。
このこけし、シンプルで愛らしいですね。
素朴で飽きの来ない美しいお顔と胴、同じ年数を過ごした小さな仲間がやってきてくれたのは、偶然でもなさそうですね。

投稿: kuma | 2010年8月10日 (火) 06時39分

ご心配をおかけしました。危ないところでしたが、まだ寿命があるようです。温和な表情の愛らしいこけしです。戦後間もない頃にこんなこけしが作られていたんですね。敗戦で打ちひしがれた人々の心を慰めるのには、こういうこけしが良かったのですね。

投稿: 国恵志堂 | 2010年8月10日 (火) 17時09分

本当に大変でした。でも自覚症状があってよかったですね。運がいいのです。と私も10年前言われました。
 私はバイパス手術をして10年目を迎えますが,健康に気を付けるようになり,今は良好な状態で山歩きなどもしております。国恵志堂様も肉食系から草食系に変身されて,これからの生活を更に楽しんで頂きたいと思います。いつもお世話になってます。これからもよろしくお願いします。

投稿: deku | 2010年8月11日 (水) 12時21分

deku様はバイパス手術をされたのですか。やはり身体にメスを入れると回復に時間がかかるので大変ですね。私はカテーテルなので一週間で復帰となりました。deku様のご忠告を心にして今後の生活を考えていきたいと思います。ありがとうございました。

投稿: 国恵志堂 | 2010年8月11日 (水) 21時07分

急な検査手術から無事に生還され、これからもこけしとの
人生を楽しまれること、なによりのことです。
カテーテル手術(後)の生々しい苦しみ、ぞっとしますが
生きていてこそ。

投稿: logos | 2010年8月15日 (日) 13時37分

本当にそうですね。良い体験をさせて貰いました。まだ暫くはこうしてこけしを楽しんでいけることの有難さを実感しているところです。これからも、よろしくお願い致します。

投稿: 国恵志堂 | 2010年8月16日 (月) 08時14分

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