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第443夜:粂松型競作

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第441、442夜で、陳野原和紀の初期粂松型を紹介した。粂松型は和紀亡き後、その弟の幸紀が継承し、また竹石秀德(現在、病で休業中)とその弟子の石井信明も粂松型を作っている。和紀は昭和50年代に入ってからは、粂松の「原」に忠実な写しを主体に作るようになり、幸紀、秀德、信明の粂松型も「原」を見習ったこけしとなっている。粂松のこけしは作風の幅が広く、従って、それを継承した粂松型も色々なものが作られている。口絵写真は幸紀の粂松型。

Yukinori_kume_bi_hikaku

数有る粂松のこけしの中でも、絢爛豪華さで最右翼と思われるのは「こけしの美」原色版No12に掲載されている玉山旧蔵品であろう。大きさは尺5寸もある。横長の大頭に、大きな前髪とそれを囲むように描かれた赤と緑のカセ、目は上瞼が二重となっている。眉・目・鼻・口は顔の中央より下に整って描かれており、粂松のこけしとしては凛々しい表情である。胴は上半分には波線を交えたロクロ線を引き、中央やや下に粂松お得意の菖蒲を描き、その下には3筆の花模様を赤・黄・紫で添えている。胴最下部は赤・緑・黄のロクロ線で締めている。写真(2)は左2本は幸紀、右は竹石のこけしである。左端は6寸1分、平成12年に中古で入手したもの。幸紀の粂松型としては初期の部類に入るのではないか。小寸であるが大きな頭でよく纏まっている。眉と目がこじんまりと纏まって愛らしく、コケティッシュでもある。中央は平成6年作の7寸。頭はやや小振りとなり均整のとれた形態で、「原」の持っている雄大さは見られないが、表情には凛々しさがある。「写し」から一歩脱却して幸紀のこけしになっている。右端は竹石作の尺(梨材)。平成16年に訪問した時に入手。「原」の特徴を良く掴んで、それを竹石流に再現したこけしである。同じ型のこけしであっても、工人によって、また作る時期によって変化がある訳で、そこも収集の楽しみである。和紀、石井両工人の同型の作も入手できたら比較したいものである。

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コメント

陳野原幸紀さんの工房が、旅館である観山荘にあるので、観山荘にはたくさんの幸紀さんのこけしが随所に惜しげもなくディスプレイされていました。今年せっかく宿泊したのに、見る目が浅いために楽しみ方も浅かった自分を省みています。

投稿: kuma | 2010年8月25日 (水) 04時25分

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