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第447夜:佐藤菊治(?)のこけし

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今夜紹介するこけしも、昨夜の菊地孝太郎と同一の出品者からのもの。孝太郎も胴底に「菊地孝太郎 青根」との書き込みがあり、本稿のこけしも胴底に「アオネ 佐藤菊治」の書き込みがある。いずれも入手者が記入したものと思われ、そこから「佐藤菊治のこけし」として出品されたものと思われる。孝太郎のこけしは一側目、菊治のこけしは二側目という漠然とした認識があり、ともに青根の工人であるから、戦前のほぼ同時期のこけしとして両方あってもいいなあ程度に思っていた。ところが、「原郷のこけし群」を見て、何としてもこのこけしを入手したくなったのである。

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菊地孝太郎の戦前作を調べるために「原郷のこけし群(第2集)」を見て、昨夜の孝太郎こけしと同時期のこけしを見つけたことは昨夜書いた。ところで「原郷のこけし」には、孝太郎のこけしが2本載っていて、73番は昨夜のこけしであったが、74番は何と本稿のこけしとうり二つと思われるこけしだったのである。すなわち、本稿のこけしは菊治ではなく、孝太郎のこけしだと言うことが分かったのである。どうしてこのようなことが起こったのであろうか。孝太郎も菊治も共に青根の工人であり、昭和7年に青根木工組合を結成した時には一緒に働いている。この木工組合は3年で解散するのであるが、その間、孝太郎と菊治は共にこけしも作ったはずである。そこで同じようなこけしが作られたのであろう。ちなみに「「愛玩鼓楽」の403番の菊治のこけし(昭和10年)の表情は鼻が丸鼻であることを除けば、本稿のこけしとうり二つである。この両者の判別はカセの描き方や胴模様の重ね菊の筆法の違いで見分けるしかない。しかし、それは結果論として言えるに過ぎない。工人が署名などしなかった戦前では、孝太郎作であろうと菊治作であろうと、それは「青根のこけし」として知られていたのであろう。それにしても、この孝太郎の研ぎ澄まされたような二側目の筆致は鋭い。写真(2)に昨夜の孝太郎と2本並べて見た。右二側目6寸1分、左一側目7寸。「原郷のこけし」の2本は、一側目5寸9分、二側目7寸、とちょうど大きさが逆になっている。いずれも孝太郎のピーク期のこけしと言って良いであろう。

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