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第455夜:これは誰のこけし?

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ヤフオクには実に様々なこけしが出品される。ともすると、先の木形子洞頒布品のような古品に目が行ってしまうが、じっくり見ていると思わぬ珍品・掘り出し物に出くわすことがある。今夜のこけしもそんな1本である。このこけし、一目見ただけで工人名を言い当てるのは、至難の業であろう。土湯系のこけしだと言うことは直ぐに分かる。手慣れたものでないことから、誰かの初期の作あるいはこけしブーム期に工人の関係者が一時的に作ったものではないかと思うかもしれない。

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このこけし、実は今年の全国こけし祭りコンクールで最高賞(文部科学大臣賞)を取った渡辺忠雄さんのこけしなのである。実にタイミング良く出品され、あまり注目されずに私の所に来てくれたのである。胴底には、署名と同じ筆で「46.5.1」と記入がある。渡辺忠雄さんは昭和13年の生まれ。渡辺定巳さんの女婿となり、昭和44年4月より木地修業を始め、こけしは昭和46年4月より製作している(「伝統こけし最新工人録」より)。従って、このこけしは作り始めてから1ヶ月も満たない頃の作ということになる。頭の嵌め込みもしっかりしてなく、ちょっと力を入れると外れてしまう。太めの胴にカラフルなロクロ模様を描いている。横長の平頭にちまちまとした顔を描いているが、筆は手慣れていないものの、若々しい表情には好感が持てる。その後の忠雄さんは湊屋風のこけしを作り続けながら、そこに自身の個性を加えたこけしを作って、今回の受賞に至ったのである。本稿のこけし、忠雄こけしの原点を改めて見せてくれたものである。

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