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第454夜:盛のたちこ(木形子洞頒布)

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先の木形子洞頒布こけしのオークションでは、善吉以外にぜひ欲しいこけしがあった。高橋盛のこけしである。私のこけしコレクションの原点は福寿さんであり、「高勘」のこけしがコレクションの主流を占めている。従って、高勘の古品には目がいってしまう。人気が今一の鳴子系にあっても高勘は人気があり、その古品はなかなか入手の機会がない。今回の盛は小寸のたちことは言え古形子洞の頒布品、直に手元で見てみたいこけしであった。今夜は、その盛のたちこを紹介したい。

Sakari_s7_tatiko_hikaku

胴底に貼られたシールは殆ど消えかけているが、高橋盛の「橋」と「盛」、木形子洞頒布の「洞」が何となく分かる。大きさは4寸、胴底は面取りがしてある。木形子洞頒布のたちこは「木の花(第弐拾弐号)」に2本と「愛玩鼓楽」に1本が掲載されているが、「木の花」の⑫と「愛玩鼓楽」はややずんぐりとした形態であるのに対し、「木の花」の⑬と本稿のこけしは細めのすっきりとした形である。木形子洞頒布期の盛こけしは平頭が一つの特徴であり、それはこのたちこでも現れている。面描では、振り分けの前髪に3筆の大きな水引、2筆の横鬢と左右に開いた眉・目は眼点も大きく、実にしっかりとした表情である。本稿のこけしは胴の緑のすすきがはっきりと残っているために、その様式が確認出来た。左右3筆ずつのすすきの根本には緑の土が描かれているのである。「愛玩鼓楽」や「木の花」⑫では確認出来ず、「木の花」⑬では細い土状の線(色は不明)が見られるが本稿の土とは異なる。福寿さんや他の高勘の工人のたちこでも、赤1筆の土が描かれることはあるが、緑1筆の土が左右に描かれるのは見たことがない。そういう意味でも新しい発見があった。同時期に同じたちこを作っていても、その描彩は今のように画一的ではなく幅があったのであろう。

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