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第467夜:大野栄治のこけし(3)

Eiji_sengo_pekke_kao

先週の東京こけし友の会の入札で、大野栄治の小寸こけしを入手したので、今夜はその紹介と栄治のこけしの変遷を振り返って見たい。入手したこけしに署名はなかったが、栄治こけしの特徴から戦後間もない頃のこけしと推定した。小寸の作り付けで、所謂ペッケと称するもので保存状態は良く、退色もロクロ線前面の緑と紫がやや薄くなっている程度である。口絵写真はそのこけしの顔アップ。

Eiji_sengo_hikaku

第248夜と第300夜で書いたように、大野栄治の戦前/戦後のこけしには大きな特徴がある。その1つが胴底のロクロの爪痕であり、もう1つが前髪飾りの小さい赤点である。今回入手したこけしと先に紹介した2本のこけしについて、それを改めて比べて見たのが、写真(2)である。向かって右が昭和6年作(第300夜で紹介)、真ん中が戦前末から戦後直ぐ(第248夜で紹介)、そして左が今回入手したこけしである。写真(2)上半分で前髪飾りの赤点を、下半分で胴底の爪痕を確認して頂きたい。右端では前髪飾りに赤点は無く、ロクロの4つの爪痕は全て縦方向、真ん中では前髪飾りに小さい赤点が付いているが、ロクロの爪痕は全て縦方向、左端では赤点は大きくはっきりしており、ロクロの爪痕は3つは縦であるが、1つは横向きになっている。すなわち、この3本のこけしは

Eiji_sengo_pekke_2

栄治の戦前から戦後への変遷を物語っていると言えよう。

さて、改めて本稿のこけしを見てみよう。大きさは4寸3分、小寸のためか胴模様はロクロ線のみである。そのためか、横鬢飾りも梅模様ではなく放射状の赤線になっている。簡素な描彩は古風な雰囲気を持っている。表情はやさしくあどけないものであり、「美と系譜」掲載の栄治こけしと同趣である、従って、昭和27,8年頃の作と思われる。

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