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第461夜:みちのくこけしまつり(3)

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今夜は、みちのくこけしまつりの実演工人の話をしよう。今回の招待工人は、笹森淳一(津軽系)、吉田勝範(鳴子系)、新山真由美(弥治郎系)、高橋通・順子(土湯系)、鈴木征一(肘折系)の6名であった。各工人とも、開会前日(8日)の午後から夕方には自分のスペースに多種多様なこけしとこけし関連品を並べて来客への対応が出来るよう準備を終えていた。今回は会う機会が少ない笹森さんと勝範さんを中心に話を伺った。口絵写真は笹森さんの逆さ独楽である。

1010mitinoku_jituen_nyute 写真(2)は、今回実演工人の勝範さんと笹森さんから入手したこけしと木地玩具。右2本は勝範さんの永吉型こけし。勝範さんとは2回目の対面。数年前に、「桜井昭二の永吉型」という小冊子を作るに当たり、昭二さん以外で永吉型を作る工人さんを訪ねた折にお会いした。勝範さん、最初は分からなかったようであるが、話をしていく内に思い出してくれた。勝範さんのこけしは師匠の昭二さん譲りの岩蔵型、万之丞型、コウ型と永吉型である。この「みちのくこけしまつり」では丁度10年前の第20回に永吉型で内閣総理大臣賞を受賞している。永吉型は一筆目であるが、これがなかなか難しいのだと言う。特に大寸になるほど大変らしい。今回も小寸から中寸ほどのものが殆どで、5寸白胴菊模様とロクロ線楓模様の2本を入手した。この大きさだと一筆目に違和感はなく、実に愛らしいこけしに仕上げっている。

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写真(2)の左2品は笹森さんの当て独楽だるま(左端)と逆さ独楽である。いずれも笹森さん得意の達磨絵が迫力満点。今年の美轆展では、各工人の「当て独楽こけし」が目玉のセットとして頒布されていたが、笹森さんのは本体下部をこけしではなく達磨にしたところがミソ。こけしの場合は下部が固定され、その上で独楽が回ることになるが、笹森さんの達磨は底が丸くなっているために、達磨自体もグラグラ揺れ、その上で独楽が回るという仕組みになっているのである。当て独楽こけしの難度をさらにアップさせて木地玩具と言えるのだろう。写真(3)は一見手振れした失敗写真のように見えるが、それは間違い。当て独楽達磨上で独楽を回した所を写したものである。上部の独楽がブレているのは回っているためで、下部の達磨も動いているためにブレて写っているのである。写真(2)の左から2番目の逆さ独楽は、独楽の上にミニこけしを被せて通常はえじこのように見える。達磨絵の描かれた独楽を回すと、最初は達磨が上を向いた状態で回っているが、やがて上下が逆さまになって、口絵写真のように達磨が下を向いた状態で回るのである。木地玩具の面白さはその動きにもある。笹森さんは持ち前のアイデアで、実に楽しめる玩具を作ってくれるのである。こういう玩具類がその場で入手出来るのも、実演の楽しみである。

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コメント

笹森さんの所が込み合っていて
後で、と思いつつ行きそびれた私は
とてもとても悲しい夜を過ごしました
しばらくは、ここで写真を見せてもらいます

投稿: kuma | 2010年10月21日 (木) 13時48分

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