第462夜:笹森さんの木地仏
平成15年に、笹森さんに各種の幸兵衛型を作って貰ったが、その時に直胴達磨絵の幸兵衛型を頼むのを忘れていた。後日、その直胴幸兵衛型を中古で入手したが、そのこけしの目は他の幸兵衛型の目とは明らかに異なるものであった。写真(2)左のこけしがそれである。その目は所謂仏像の「半眼」と称する目であり、木地仏に通じるものである。その後見かける直胴達磨絵の幸兵衛型は皆この目をしているので、「原」の幸兵衛こけしの目がそれに近いのかも知れない。笹森さんは元々仏師になりたかったというくらいだから、当初からそのような仏像を想定したイメージはあったのであろうが、このような木地仏に本格的に取り組んだのは平成3年12月からだと言う。その成果を披露したのは平成5年4月から東京の「長泉院付属現代彫刻美術館」で開かれた展示会(即売は無し)で十数種類の木地仏が展示された。その後、この木地仏は笹森さんの木地製品の一翼を担うようになる。胴の太さや括れ、肩の丸み、胴裾の形態など多様なものがあるが、本稿の木
地仏は一つの完成型と言えるだろう。これまで、この型の木地仏は胴上下の唐草模様に赤を使ったものが多かったが、今回の作では黒の薄墨(緑も混ぜていると言う)を使っているため、しっとりとした格調の高い作品となっている。なお、左の幸兵衛型の達磨絵で、眼点が下に付いているのは大変珍しい。他の工人も含めて、達磨絵の目は殆どが上に付いている。写真(3)は笹森さんの実演風景。本稿の木地仏(向かって右から2番目)や当て独楽達磨(左端)、逆さ独楽(右下)なども写っている。
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