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第464夜:疑惑のこけし(再び)

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第387夜で「偽『弘道の微笑み』発見!」と題して、ヤフオクに出品されている疑惑のこけしについてお知らせしたが、また同種のこけしが多々出品され、「こけし談話室・訪問ノート」でも話題となっている。その疑惑のこけしを入手されたS氏からメールを頂いたので、その件について再びお話をしたいと思う。いずれも出品者は同一の方で、3年前から友人のこけしを代理で出品していること、また別の友人から譲り受けた800本程のこけしも出品しているとのことである(S氏が出品者に問い合わせた回答)。口絵写真は疑惑の長谷川辰雄こけしの顔アップ。

Hasetatu_giwaku_hikaku

今回、S氏が入手した疑惑のこけしは昭和16年の長谷川辰雄のこけしとしてヤフオクに出品されたものである。写真(2)右のように胴裏下部にあやめ模様が描かれているが、辰雄のこけしにはこのような裏模様は無いと指摘されたものである。同一の出品者からは他にも疑惑のこけしが出品されており、話題になっていた。さて、一連の疑惑のこけしを調べて見ると、それには幾つかのパターンがあるようだ。(1)胴底に日付を記入し、古いもの、評価の高い時期のものを装う。これは第387夜で触れた弘道34年作、喜一13年作がそれにあたる。このパターンには追記の他に消し込み(盛秀署名の「元祖」の文字の消去なども見られる。いずれも、「こけし談話室・訪問ノート」に事例が写真で紹介されているので参照されたい。(2)消えかかった描彩を上書きして保存完璧に見せかける。これの対象になるのは戦前作か戦後の人気工人(盛秀、奥瀬鉄則、佐藤喜一、小椋久太郎など)のこけしである。(3)(2)の応用編で単なる上書きだけではなく、一部修正を施す。第387夜の喜一のあやめ模様や、本稿こけしのあやめの裏模様。喜一については、昭和13年という書き込みの根拠を補強するためか?。また辰雄については希少性から価値を高めるため(?)かと思われる。また、S氏の問合せに対して出品者は、『・・のこのようなこけしはない』と断定するのはどうか? 懇意になれば特別に作ってくれることもある。その例として鉄則さんの達磨絵こけし(開き目)をあげている。更には、退色したこけしを某工人に完璧に修復してもらったこともある(もちろん出品はしていない)とも言っているとのこと。これらの言葉をどう捕らえたら良いのであろうか?確かにそういうことが無いとは言えないだろう。また、その修復があまりに見事なためか、この出品者に対する落札者の評価は頗る良い。全てがそうとは言えないが、余りに明白な疑惑の出品があることも事実。このあたり、入札に参加する方は十分に注意しなければならないし、そのような疑惑のこけしが人から人へと受け渡されていくことに困惑するものである。

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コメント

こういうお話を聞くと、オークションは恐ろしくなりますね。
「分からないだろう」と出品者が勘ぐるくらいの修復がなされているのか、はたまた、本当に当時工人さんがお作りになったものなのか。

投稿: kuma | 2010年10月23日 (土) 17時57分

ネットオークションでは偽物とか色々なトラブルがあるようですが、こけしに関しても例外ではなかったということですね。修復は実に上手いので見抜くのは難しいとかと思います。ただ出品者が分かるので、その出品こけしを注意していれば大丈夫かと思います。

投稿: 国恵志堂 | 2010年10月23日 (土) 18時43分

 「辰雄アヤメ裏模様」こけしを落札したSです。今回のこの件ではビックリと言いますか、驚きました。いい勉強になっています。ブログ「kokeshi」では、その経過が掲載されています。また、盛秀、奥瀬、丑蔵、久太郎等々、退色したとこけしを落札し、そのこけしに上書き、彩色、そして盛秀こけしなどボタン模様をダルマ模様に描き直して「退色もない美品!」「○○年作!」偽りって商品説明して出品されています。440件も取引をされ、「悪い」との評価は1件だけでした。みなさんは如何お思いでしょうか?
詳しいことが知りたい方には資料をお送りしますので、このブログの方に連絡方をお聞きください。

投稿: sanejio | 2010年10月23日 (土) 20時58分

以前,緑色のネズミが脇に描かれた奥瀬の達磨が出品されてましたがあまりに酷すぎて笑ってしまいました。 最近は上手くなったので騙される人は多いでしょう。
喜平も必ず?売れるのでこれからも加筆品が沢山この出品者から出てくるでしょうね。

投稿: si | 2010年10月23日 (土) 21時03分

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