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第463夜:渡辺忠蔵の作蔵型(初作)

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ある工人の初作(初期作)という場合、その工人のこけしとしての初作を言う場合と、ある特定の型の初作を言う場合の二通りがある。前者の場合の初作は1回きりであるが、後者の場合は、その作る型の数だけ初作が存在することになる。津軽系の奥瀬陽子さんは初めて作った型には「初」という文字を書き入れている。盛秀型は種類が多いから、「初」が書かれたこけしはかなり存在すると思われる。さて、今夜は土湯系の渡辺忠蔵さんの作蔵型初作を取り上げてみたい。口絵写真は、その作蔵型の表情である。

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第289夜に書いたように、渡辺忠蔵は渡辺作蔵の孫にあたり、昭和34年より木地業を始め、当初は本人型を作っていた。昭和37年1月に鹿間氏の勧めで鯖湖型を作り、同年11月には作蔵型を作り始めたと「こけし辞典」に記載されている。また、作蔵型に関しては『初作は米浪作蔵のような頬の下膨れ、みけんの開いた型を作成していたが、眼点に作蔵のような鬼気は出せなかった』とある。本稿のこけしは胴底に「作蔵型 昭和三十七年十月十五日 忠蔵 第一回作品』との本人署名がある。従って、作蔵型は10月中旬には作成されていたことになる。米浪作蔵を確認できないため、どの程度「原」に忠実に描いているかは分からない。ただ素直で明るい表情であることは分かる。作蔵こけしに似ているかどうかは別にして好感の持てるこけしと言えるだろう。

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