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第471夜:小原こけし(亀寿戦後)

Kametoshi_s32_kao

昭和50年代の前半だったと思う。東京の京王デパートで「東観」主催の伝統こけし展があり、その目玉こけしが亀寿だったことがあった。20本程の亀寿のこけしが1本1本透明の包装紙にくるまれて展示台の上に並べられていた。開場前に既に数十人の愛好者が並んでおり、私も参加したがクジ運悪く入手できなかった。未だ未だこけしブームと言われた頃の話である。さて、今夜は戦後の亀寿こけしを見てみたいと思う。口絵写真は昭和32年の亀寿こけしの顔アップである。

Kametoshi_s32_hikaku

写真(2)に戦後の亀寿こけしを並べて見た。比較のためにいずれも胴にくびれが入った形態である。左から2番目が昭和32年、3番目が昭和30年代後半、右端が昭和43年のこけしである。(左端は参考のための16年作)。戦前のくびれ胴は、くびれの位置がかなり高いのが分かる。32年作では、このくびれの位置が胴の中央になっている。また、胸の部分の膨らみや胴裾の部分の曲線も直線的になってきた。首下、胴中央、胴裾のロクロ線も細くなり、ロクロ線間の空間が大きくなった。にも拘わらず、そこに描かれる四つ花は小さく線香花火のようである。戦前の濃厚な趣が全く無くなり、実にあっさりした模様になっている。表情は眉・目の湾曲が強くなって山形になったものの、まだ戦前の名残を感じさせる。30年代後半のこけしでは、形態がより直線的でスマートになり、ロクロ線間の空間もより大きくなっているが、四つ花は更に小さくなっているため寂しい印象を受ける。四つ花の左右の花弁も水平ではなく垂れてきている。43年作は、この形態にしては頭が大きく、くびれはあるものの直胴に近い印象を受ける。

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