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第493夜:大宮正安のこけし(安次郎型)

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昨夜は大宮正安の勝之助型を紹介したが、今夜は本来の型である父安次郎の型(古型)を紹介したい。昭和34年から作り始めた正安のこけしは当初は頭が大きく目の描線の細い鋭い表情のものであった。その後、昭和36年に安次郎型を作って友の会でも頒布したとあるが、以降は頭の丸い蔵王共通型を作っていた。友の会が再び安次郎型を頒布したのは昭和59年6月のこと。更に昭和62年には、下瞼のある安次郎を3種頒布している。今夜は、その安次郎型である。

正安の父、大宮安次郎は明治34年、山形市双月の生まれ。大正3年に学校卒業後、深瀬国雄の弟子となり木地修業。こけしは当初から作ったとされる。現存品は昭和15年に少数作ったものが知られている。『重ね菊に、おかっぱ頭の純然たる蔵王高湯系で、面描細く、一重瞼のものと、下瞼のあるものとがある。』と「こけし辞典」には記載されている。

Masayasu_yasu_s62_hikaku_2

写真(2)の左2本(6寸)は一重瞼の安次郎型で、昭和59年の友の会頒布と同型である。ロウ引きしていないこともあって古風な佇まいを良く表現している。手絡頭の安次郎こけしがあったのかどうかは分からない。黒頭の方は、頭頂部に赤の中剃りがあり、丸く細い赤ロクロ線で囲まれている。右3本は昭和62年の友の会頒布品。下瞼のある安次郎型3種である。中央の大8寸、中6寸、小3寸である。この3本の「原」は都築コレクションにある。大と小は細めの二重瞼に勢いがある素晴らしい表情である。中は目が大きく明るく無邪気な表情。大には緑の中剃り、中には赤い中剃りが描かれているが、左端の中剃りに見られるような細いロクロ線は入っていない。いずれも「原」の雰囲気を良く再現しており、正安の復元作として成功したものと言えるだろう。

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コメント

大宮正安、魅力あるこけしを残してますよね。
勝之助型でないものにも、こんな素晴らしいものがあるんですね。
丹念に蒐集していった成果で、選ぶということの大切さを理解しました。

投稿: A | 2010年12月30日 (木) 14時21分

ひょっとしたら原は溝口コレクションかも?です。

投稿: しょ〜じ | 2010年12月30日 (木) 17時27分

A様
正安は人気工人ではありませんでしたが、良いこけしを作っています。中古こけしの中からこのようなこけしを探し出すのも楽しいですね。価格も高くないですから。

投稿: 国恵志堂 | 2010年12月30日 (木) 21時05分

しょ~じ様
溝口コレクションですか。今年、鳴子のこけし館を見学した時には気が付きませんでした。何かの文献に載っていますかね?

投稿: 国恵志堂 | 2010年12月30日 (木) 21時08分

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