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第497夜:今年の初荷こけし

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こけしブームに燃えていた昭和40年から50年頃、それは私にとってはこけし収集の少年期でもあったが、正月の楽しみと言えばデパートで開催される「新春こけし展」などのこけしに関する催し物であった。当時は各デパートが競って開催していたため、1日で何ヶ所かのデパートを回る「デパート巡り」でその年のこけし収集は始まったのである。そんな熱気もいつしか覚め、気がついたらどこのデパートでもこけしの催しは無くなっていた。それからは、「ひやね」で開催される「新春伝統こけし入札・即売会」がこけし収集の始まりとなっていた。こけしだけでなく、お菓子も沢山入っていて、抽選でこけしが当る籤付きの福袋が楽しみであった。その福袋も昨年からは姿を消し、いささか寂しい気もしていた。今年も「ひやね」では8日から「入札・即売会」が催されていたが、残念ながら所用で出かけることが出来なかった。ヤフオク(ネットオークション)は、それらの催し物を補う上でも、今では欠くことのできないものとなってきた。前置きが長くなってしまったが、結局今年最初に入手したこけしはヤフオクでの落札であった。初落札は後日紹介する秋山清一であったが、最初に手元に届いたのは、今夜紹介する大内慎二の今朝吉型であり、これが今年のこけしの初荷ということになった。

土湯系、大内慎二は昭和32年、嶽温泉の生まれ。大内修二の二男で大内一次の孫、従って今朝吉の曾孫にあたる。昭和58年より一次に木地を習い、同年9月頃よりこけし製作も始めた。昭和59年頃より曾祖父今朝吉の復元を初め、瞬く間に今朝吉型の秀作を物にして一躍脚光を浴びた。友も会での頒布は昭和60年5月の4寸、6寸が最初と思われ、同年7月にも6寸を頒布している。そして同年の友の会小寸の分で優秀賞を受賞し、61年正月のおみやげこけしに選ばれている。私は当時、慎二のこけしに特に注目していなかったため、この初期の今朝吉型を入手しておらず、後日中古で探すことになった。

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慎二が今朝吉型の「原」にしたのがどのこけしなのか私は知らないが、今朝吉初期のカセのないものを元にしたことは容易に分かる。写真(2)は左から昭和59年後半、「60.1.15」、「60.5.26」、「60.8」の書き込みのあるこけしである。逆おむすび形で横長の頭、太い眉、目は左右に離れ気味で眼点は大きく、下の瞼からはみ出そうである。そして右端が今夜のこけし。胴底には「61.3」の書き込みがある。左4本と比べて、かなり表情の違うこけしであることが分かるであろう。頭は逆おむすび形ではあるが縦長、目鼻が中央に寄り、眼点が小さいためにきつい表情になっている。右から2本目も頭は縦長気味になっており、その延長線上のこけしと見ることもできるが、その後、この表情のこけしを殆ど見かけないことから、このこけしには特定の「原」があるのかも知れない。

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