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第498夜:慎二の今朝吉型(2)

Shinji_kesakiti_ono_kao_2

昨夜は大内慎二の今朝吉型を紹介したが、今夜もその続きである。「こけし辞典」によれば、『今朝吉のこけしは、従来の文献に紹介されたものは昭和5年から10年頃までの作品と思われ、大部分は6、7寸物で、尺のものは数が少なく珍しい』とある。そして、「美と系譜」では、その珍しい尺物として、鹿間蔵品と竹内蔵品の2本が写真紹介されている。今夜は慎二の今朝吉型大寸を紹介したい。口絵者品は、小野蔵品の今朝吉型の顔アップである。

東京こけし友の会では、昭和61年7月に、小野洸氏蔵の今朝吉の復元作(8寸8分)を頒布している。このこけしは、それまでの逆おむすび形の頭ではなく、やや縦長の球形で面描も眉の湾曲が少なく、眼点が中央に寄った三白眼的な迫力の中にやや微笑みを浮かべたような表情が特徴である。また頭にはガラが入っている。この今朝吉型は好評で、この年の友の会賞(大寸の部)を受賞している。前年は小寸の部で受賞しており、2年連続の受賞であった。写真(2)右のこけしがそれである。

Shinji_kesakiti_ono_hikaku

写真(2)左のこけしは、後日中古で求めたもの。友の会では昭和64年1月に、慎二による鹿間今朝吉尺の写しを頒布している。私もそれを入手していたが、それまでの今朝吉型に比べるとやや線が細い感じが気になっていた。最も鹿間今朝吉自体がそのような雰囲気を持っているのも事実ではあるが。写真(2)左のこけしを入手した時、それは慎二が初期に作った鹿間今朝吉だと思い、友の会の今朝吉写しは手放してしまった。ところで、今改めて眺めてみると、このこけしの面描は鹿間今朝吉ではなく、「美と系譜」に掲載されているもう1本の尺物、すなわち竹内今朝吉の写しではないかと思うのである。その理由は、眉毛の描き方(筆の入れ方)である。眉の山の天辺が中央ではなく右に寄っているのである。真ん中の小寸こけしも同様の描き方をしている。昨夜紹介した今朝吉型と比べて頂ければ、その違いがお分かり頂けるとかと思う。この大頭の尺物も溌剌とした鋭い表情が素晴らしく、慎二の傑作と言って良いだろう。

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