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第521夜:評価の低い忠蔵こけし(2)

Cyuzo_waraikuti_kao

東京こけし友の会の3月例会が中止となった。私の知っている限りでは初めてのことである。今回の東日本大震災の影響の大きさをつくづく感じた次第である。さて、第478夜で掲題の忠蔵こけしを取り上げ、世評で評価の低いこの時期の忠蔵こけしの見所を紹介したが、2月の友の会の入札で、またまた同時期の忠蔵こけしを入手した。この忠蔵こけしの見所は、何と言っても表情。しっかりと前を見据えた視線とかすかな笑い口が、見るものの心を捉えて話さない。人間でも「目力」と言う言葉があるが、この忠蔵こけしなんかは正にこの言葉が合致する。口絵写真はその忠蔵こけしの表情。

何故、この時期の忠蔵こけしの評価が低いのだろうかと思う。それを考えるためには、評価の高い時期の忠蔵こけしと比べて見ると、その作風が明らかに異なることが分かる。角治・キンから忠蔵に引き継がれた鯖湖こけしの味わいが、この時期の忠蔵こけしには少ないように思えるのである。それはそのまま、忠蔵の個性がよりにじみ出ているとも言えるのであるが。

Cyuzo_waraikuti_hikaku

この評価の低い時期の忠蔵こけしの特徴は、クリクリとした大きな丸い眼点にあるのだろう。眼点の小さい細い鯨目の醸し出す渋さを、このこけしに求めることは出来ない。このこけしの特徴は悪戯っぽい微笑みにあると思う。その視線はきっちりとこちらを見据えていて、こちらも思わず吸い込まれてしまいそうになる。そこが評価の分かれ目にもなるのだろう。鯖湖の渋さとは異質であるが、訴えかける力は大きい。エネルギーを感じるこけしである。

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