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第519夜:新兵衛のこけし

Shinbe_s27_kao

日本の東半分が大変な事態に陥っている。三陸の海岸線では万を超す死者が予想され、町全体が消滅してしまったところさえある。福島の原発では放射能汚染が懸念され、電力不足は東京一帯で時差停電が現実的なものとなってきた。このような時に、このブログを更新していて良いものかとも思う。だが、アクセス数はやや減った程度で推移している。ここは、見るものの心を安らげるこけしが適切かと思い、2月の友の会例会で入手した新兵衛のこけしを取り上げることにした。

Shinbe_s27_hikaku

新兵衛のこけしに関しては第490夜で62才(昭和22年)作を紹介した。今夜のこけしは胴底に「27年 68才」の署名がある。大きさは8寸で保存極美である。写真(2)右が本稿のこけしで、左が第490夜のこけし。木地形態では、頭がやや縦に延び、丸みを帯びてきた。また、胴の反りも大きくなっている。面描では、眼点のある一側目に変わりはないが、頭が縦に延びた分、額が広くなっている。胴模様は菱菊であるが、上部の横菊の描法が大きく変わり横長の平たい形となっている。また下部の正面菊も花弁が多く密になって隣り合わせの花弁が重なり合っている。これは、鳴子の戦後の特徴の一つでもある。新兵衛こけしの代名詞と言われる「一筆目」は昭和30年代に入ってからであろうか。いずれにしろ、静かな微笑んでいるこけしであり、見るものの心を和ませるこけしである。

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