« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月

第545夜:底書きの信憑性(常川新太郎)

Tunekawa_s12_syomei

こけし界でよく言われる言葉に「1本王様こけしを入手すると家来のこけしが自然に集まってくる」というものがある。王様ではないにしても、あるこけしが手に入ったことによって、それに関係するこけしを手にする機会が増えることはままあること。実際には、あるこけしを入手したことによって、そのこけしへの関心が高まり、今まで気付かずに見過ごしていたものに注意がいくようになった結果、そのようなことになるのだと思う。こけしの蒐集を始めて以来全く関心がなかった常川新太郎のこけしを入手してから(第525夜)、そのこけしを改めて見つめ直していたところ、古品15本の中にも1本含まれており、また先日は「昭和12年」と底書きのある新太郎がヤフオクに出品されていた。昭和12年と言えば、新太郎がこけしを作り始めた頃、また胴のロクロ模様が他と違っていたことから、研究のためにも直に見て見たいものだと思っていた。新太郎のこけしにしては珍しく入札価格は5000円の値になっていたが、何とか落札することが出来た。さて、そのこけしの実像は・・・?

続きを読む "第545夜:底書きの信憑性(常川新太郎)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第544夜:中古こけし纏めて19本

Cyuko19hon_sakuzo_kao

ヤフオク(ネットオークション)には、ある程度纏まった数のこけしが出品されることがある。古品や昭和30年代以前のこけしが纏まって出品された場合、その内容によっては入札に参加することがある。先日も古品15点のこけしを落札したことは第533夜に書いた通りである。今回のこけし19本は古品でないことは分かっていたが、昭和30年代のこけしが多数含まれており、また人気の高いこけしも散見されたことから入札に参加した。多数のこけしが出品されている場合、限られた数の出品写真では、その詳細を確認することは不可能で、ある程度は推測(感)で判断するしかない。従って、落札出来たとしても、結果が吉であるか凶であるかは落札品を見てみるまでは分からない。届いたこけしを1本1本包みから取り出すときのワクワク感は堪らない。さて、今回の場合、19本の内5本は新型こけしだったので、一応伝統こけしと見られるのは14本であった。以下、それらを紹介しよう。口絵写真は蔦作蔵の髷こけしの表情。

続きを読む "第544夜:中古こけし纏めて19本"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第543夜:友の会4月例会(H23)

1104reikai_omiyage_kao

今日は東京こけし友の会の4月例会があり、出席したのでその報告をしたい。昨日とは打って変わった好天の中、3月例会が休会だったこともあってか、初参加の方も含めて何と73名の出席があった。用意したおみやげこけしは70本だったため、幹事のおみやげこけしを出席者に回して対処する程であった。そのおみやげこけしは土湯系の太田孝淳さんのこけし。暫く振りの頒布となった。4月は第二部で総会を開催するため、新品こけしの頒布は無かった。また、会場には東日本大震災の義援金の寄付箱が設けられた。口絵写真は孝淳さんのこけしの表情。

続きを読む "第543夜:友の会4月例会(H23)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第542夜:正一のこけし(昭和30年代前半)

Syoichi_s32dai_kao

太治郎型のこけしは好きなこけしの1つなので、ヤフオクに出ているとつい気になってしまう。特に自分が考えている価格より安い金額で落札されそうになるとそのまま見過ごすことが出来ず、つい入札に参戦してしまう。今夜のこけしもそんな経緯で入手したもの。同時期の正一こけしは既に持っており、しかも出品作は尺1寸の大寸物。本来なら見送るべきなのだが、保存状態も良い正一が5千円程度で落札されるのが我慢できず、手を出してしまった。結果は6800円でゲット。このランクの正一なら、ほんの数年前でも1万円を切る価格での入手は考えられなかったものである。

続きを読む "第542夜:正一のこけし(昭和30年代前半)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第541夜:小松五平のこけし(戦前~戦後)

Gohe_s17_kao

震災で総倒れしたこけしは全て並べ直したのだが、ここのところの強い余震で再び転倒するはめになってしまった。倒れては並べ直しの繰り返しでいささかうんざりしている今日この頃である。さて、小松五平のこけしは好きなこけしの一つであり、残存数が多いためか入手する機会もよくあるのだが、どうも保存の悪いものが多い。今夜紹介する五平は、先の古品15本の中の1本、胴の状態は良いのだが、頭部は黒く煤けたようになっており、面描もかなり見え難くなっているのが何とも惜しい。

続きを読む "第541夜:小松五平のこけし(戦前~戦後)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第540夜:裕介さんの子持ちこけし(初作)

Yusuke_makoto_komoti_kao

この週末で東京近辺の桜の花も殆どが散ってしまい、日一日と新緑が眩しい季節になってきた。あの大震災ですっかり忘れていたが、3月末で昨年の還暦から1年が過ぎていた。そして誕生日記念のこけしを頂いてしまった。貰ったのは佐藤裕介さんのこけし。あの大震災前に頼んでおいたものとのこと。裕介さん初め誠孝さん一家は原発事故の影響で、今は赤城山に避難されており、そこで作られたこけしであった。しかも裕介さんが初めて作ったという子持ちこけし。このこけしを頼んでくれた方と裕介さんに感謝して、今夜はそのこけしを紹介させて頂く。

続きを読む "第540夜:裕介さんの子持ちこけし(初作)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第539夜:落穂拾い(阿部勝英)

Syoei_jisuke_s43_kao

先日まで満開を誇っていた通勤経路の桜並木も、今日は桜吹雪が舞い、黄緑色の新葉が新緑の季節を告げるかのようである。あれほどの大震災にあった三陸海岸はどうなんだろうかと思う。友の会の例会を始めこけし関係のイベントが続々中止となり、ここのところ、こけしの入手はヤフオク(ネットオークション)のみとなってしまった。ヤフオクには古品から珍品、中古品に殆ど新品のこけしまで多種多様のものが出品され、大いに活用させて貰っている。状態の良い古品など、どうしても欲しいものには相応の出費が必要になるが、皆から注目されないものの中にも良いものは沢山」あり、こういうものを安価に入手するのもヤフオクの醍醐味の一つである。私はそれらを「落穂ひろい」と称してここでも紹介している。今夜は、先日入手した阿部勝英のこけしである。3本セットで出品され、他に入札者がなく1500円で私の手元に来たものである。口絵写真は、その勝英の顔アップである。

続きを読む "第539夜:落穂拾い(阿部勝英)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第538夜:庄七の青坊主

Syo7_aobozu_kao

菅原庄七は秋保を代表する工人で、その作るこけしは太い胴の上下に2本の緑ロクロを引き、大きな頭の頂上には「乙」の字を入れ、細かな鬢飾りともども華麗なこけしとして知られている。その一方で秋保温泉を訪れる一般客向けの愛らしいこけしも作っている。一側目で眼点の大きな愛らしいこれらのこけしは、当時の新型こけしと言えるだろう。頭をパステルカラー調の青色で塗っていることから、青坊主こけしと仮称したい。口絵写真はその青坊主の表情アップ。

続きを読む "第538夜:庄七の青坊主"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

第537夜:庄七のもんぺこけし!

Syo7_monpe_kao

大震災から一ヶ月が経ったが、余震はまだまだ収まりそうにない。震度6弱や5強は当たり前になってしまった。本来なら、それだけで大地震なんだろうけど、余震ということで軽く見てしまう傾向がある。気をつけなければいけない。こけし棚の扉は開かないようにしたものの、ここのところの余震で中のこけしは倒れており、扉を開くと同時に雪崩を打って倒れて出てくる。このイタチごっこはいつまで続くのだろうと思いやられる。さて、先の古品15点に中に菅原庄七のものが2点あったので、今夜はそれを紹介したい。口絵写真は庄七のもんぺこけしの表情。

続きを読む "第537夜:庄七のもんぺこけし!"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

第536夜:幸九郎のこけし

Kokuro_s17_kao

本ブログには、検索フレーズランキングという項目があり、どんなフレーズ(言葉)での検索が多いかが表示される。そのトップテンに「ひやね」関連のフレーズが4つも入っていた。これは9日(土)に日本テレビ系で放映された「ぶらり途中下車の旅」の影響であることは明らかである。同番組では、神田の書肆「ひやね」がかなり詳しく紹介され、見慣れた店内の情景や常連さんの話なども紹介された。これも、昨今の「こけしブーム(?)」を反映したものであろうか。さて、今夜は渡辺幸九郎のこけしである。

続きを読む "第536夜:幸九郎のこけし"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第535夜:評価の低い忠蔵こけし(3)

Cyuzo_s17_kao

あの東日本大震災からちょうど1ヶ月が経った。長かったような短かったような、感じ方は人それぞれ違うと思う。何もかも流されてしまった被災地では、僅かながらも復興の土音も聞こえて来るようになった。まさに日本人の底力を見る思いだ。今は日本全体で頑張らなくてはいけない時だ。そんな思いに浸っているところに大きな余震が襲ってきた。自然の脅威は強大だ。まだまだ油断は出来ない。さて、今夜は先の古品15本に含まれていた忠蔵のこけしを紹介したい。口絵写真はその忠蔵こけしの表情である。

続きを読む "第535夜:評価の低い忠蔵こけし(3)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第534夜:喜平こけしの変遷(2)

Kihe_kin_s17_kao

昨夜紹介した古品15点の中に、渡辺喜平のこけしが2本含まれていた。喜平の戦前のこけしの変遷については第319夜で、手持ちのこけしを掲載して紹介した。戦前の鯖湖こけしと言えば、キン(角治)に代表され、それに初期の忠蔵が加わる。喜平については、キンの木地を挽いたことと、象鼻こけしが知られているくらいである。今回、新たに2本の喜平こけしが加わったので、319夜の話を振り返ってみたいと思う。口絵写真は、喜平のキン型こけしの表情である。

続きを読む "第534夜:喜平こけしの変遷(2)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第533夜:古いこけしたち(15個)

Kohin15_h2304get_tunekao

4月2日にヤフオクで落札した「古いこけしたち(15個)」が届いたので、今夜はその紹介をしたい。福岡の出品者に聞いた話では、「こけしは92才のおばあさんが家を売って、施設に入られるとかで、その時に出てきたもの」とのことであり、由緒のある家のようだったらしい。出品作を見た時点で、それほど古いものではないが戦前作と思われたので入札に参加したが、あまり高くはならず落札出来たのはラッキーだった。こけしの底には工人名が記載されているものもあるが、同一筆跡なので、入手者が記載したものであろう。口絵写真は阿部常吉のこけし。

続きを読む "第533夜:古いこけしたち(15個)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第532夜:昭二さんの永吉型(細胴期)

Ssyoji_eikiti_s43_kao

4月の新しい週が始まり、気温も昼間はかなり高くなって、桜の開花は一段と進んできた。原発の状況は一進一退で気になるものの、交通機関もほぼ通常に戻り、計画停電もここのところ実施されず、東京近辺ではあの大震災の影響も徐々に少なくなってきているようだ。これからいよいよ復興期になると金もかかることになり、自粛一辺倒から経済も活発化しなければならないだろう。工人さんにとっては、こけしの売れ行きが気になるところ。いかに新品こけしの販路を広げるかが今後の課題となるのだろう。さて、今夜は、昭二さんの細胴期のこけしを取り上げてみたい。

続きを読む "第532夜:昭二さんの永吉型(細胴期)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第531夜:昭二さんの永吉型(太胴期)

Ssyoji_eikiti_s37_kao

4月に入った。街中には真新しいスーツを纏ったフレッシュボーイ・フレッシュガールが目に付き華やいだ気分を誘う。東京では桜も開花し、照明が落とされた駅構内などを除けば、つい3週間ほど前に起こった大震災が夢ではないかとも思われる。未だ予断を許さない原発を含め、1日も早い復興を願うばかりである。さて、今夜は先日亡くなられた桜井昭二さん追悼の意をこめて、私の好きな永吉型の話をしたいと思う。

続きを読む "第531夜:昭二さんの永吉型(太胴期)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »